【声明】
景気も財政も商売も壊す消費税増税法案の閣議決定に断固抗議する
2012年3月30日
全国商工団体連合会
会長 国分 稔
民主党・野田内閣は本日、消費税率を10%へと段階的に引き上げ、国民に13兆円もの負担増を迫る大増税法案を閣議決定した。
「4年間は増税しない」という政権公約を踏みにじり、過半数を占める増税反対世論も、「増税されれば商売を続けられない」という中小業者の必死の叫びも無視する暴挙に、満身の怒りを込めて抗議する。
年金や医療制度を改悪しながら「社会保障のため」と国民を偽り、大震災や原発事故によってマイナスからの再建を余儀なくされている人々の苦難や、消費税を価格に転嫁できない中小業者の苦しみをまったく顧みない姿勢は言語道断である。
消費税増税は、リストラを加速させ、景気を冷やし、経済を悪化させる。1989年に消費税が導入された時、4〜8%あった経済成長率は2%未満に落ち込んだ。97年に自民党中心の政権が行なった5%への税率引き上げは、阪神・淡路大震災を乗り越えて回復し始めていた日本経済に大打撃を与え、税収の減少と財政悪化を招いてきた。
円高・デフレ不況の下で生産拠点の海外移転が加速し、雇用者報酬が減り続ける中、消費税が増税されれば、国民・中小業者の暮らしと経営は根底から破壊される。
一方、大企業は販売価格や下請単価を思いのままに設定し、新たな負担を消費者や下請業者など弱い者に転嫁し、増税の痛みを回避している。そればかりか、輸出上位10社だけで年間8,698億円にのぼる消費税の還付金は、税率引き上げに連動してさらに増大し、大企業の懐を潤すことになる。
生活費非課税や応能負担という税の原則を踏みにじり、さらに格差と貧困を拡大させる愚策を許すわけにはいかない。本気で低所得者の生活を心配するのなら、新たに「給付付き税額控除」を導入するまでもなく、減税されてきた大企業や富裕層への課税を元に戻し、消費税率の引き上げを中止すべきである。
民商・全商連は、消費税のない社会を目指し、消費税増税阻止に向けて断固たたかう。そして、歳入庁の創設や「社会保障と税の共通番号」など国民監視と徴税の強化も、際限のない増税への策動も絶対許さないために全力をあげる。
以上
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