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改憲手続き法案、米軍再編法案の衆院強行採決に抗議する
2007年4月13日
全国商工団体連合会事務局長・岡崎民人
政府・与党は4月12日、国民の反対を押し切って、改憲手続き法案と米軍再編法案を衆院憲法特別委員会で採決、翌13日に衆院本会議で強行採決し、参議院に送付した。
改憲手続き法案はこの間、修正案に対して問題点が数多く指摘されてきたことに加え、公聴会や世論調査でも国民の多数は採決を急ぐべきではないという世論が示されていたにもかかわらず、国民世論を踏みにじる暴走を絶対に許すことはできない。与党の「併合修正案」は3月27日に国会に駆け込み提出されたもので、委員会での質疑はわずか2回だけであり、5日に開いた中央公聴会の議題にもなっていない。審議がまったく尽くされていないのは明らかである。
内容も、これまで多くの国民・識者から指摘されてきた(1)最低投票率の定めがなくわずかの賛成でも成立する(2)公務員・教育者への行政処分があり運動を規制する(3)有料CM野放しで「金で憲法を買う」事態になる――などの点は、変化がなく、民主主義を真っ向から踏みにじるものである。これは、改憲派がしばしば口にしてきた「国民投票の公正・中立なルールづくり」という口実さえ投げ捨てた党利党略でしかない。
また、米軍再編法案は外国にある米軍基地増強のために税金をつぎ込むという歴史的にも国際的にも例のないものである。さらに「再編交付金」は再編計画の進ちょく状況に応じて交付するもので、自治体に協力を強要し続けようとするものである。 結局、安倍首相が述べた「私の内閣として(憲法)改正を目指したい」(年頭会
見)とのスケジュール最優先で、両法案とも国民にその危険性が知られる前に、急いで成立させるという狙いである。
国民は「海外で戦争する国づくり」のための改憲手続き法や米軍再編法など望んではいない。民商・全商連は参議院で徹底した審議を要求するとともに、国民的共同を強めて廃案めざして全力でたたかうことを表明する。 |