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  全商連が道路交通法改正試案で警察庁へ送った意見(1月11日)

 警察庁交通局は道路交通法改正試案を発表し、1月28日(日)必着でパブリックコメントを現在、募集しています。全商連が同庁に送付した「道路交通法改正試案に対する意見」を紹介しますので、参考にして現場からの意見を反映してください。
警察庁の道路交通法改正試案は警察庁のホームページ (http://www.npa.go.jp/comment/kisei2/20061207.pdf)で見ることができます。

<意見送付先>
▼電子メール=koutsukyoku@npa.go.jp
▼郵送=〒100-8974千代田区霞ヶ関2-1-2警察庁交通局企画課法令係
▼FAX=03-3593-2375

<全商連が警察庁に送付した「道路交通法改正試案」に対する意見>

      改正試案「1、悪質・危険運転者対策の推進」についての意見を申し上げます。

「(1)飲酒運転に対する罰則の強化」については異議はありませんが、「(2)飲酒運転をするおそれのある者に対する車両提供等の禁止」(車両又は酒類を提供した場合、提供を受けた運転者が酒酔い運転をした場合。5年以下の懲役又は100万円以下の罰金。提供を受けた運転者が酒気帯び運転をした場合、3年以下の懲役又は50万円の罰金)の新設については反対します。

【理由】飲酒運転の根絶は緊要の課題ではあります。にもかかわらず、依然悲惨な飲酒運転事故があとを絶たないことに鑑みれば一定の罰則強化はやむをえないと考えます。しかし、「飲酒運転をするおそれのある者に対する車両提供等の禁止」の新設については、以下の理由から撤回を求めます。

1、個人責任主義に反すること。
 例えば、甲がA店、B店、C店で飲酒し(A店、B店で同僚と飲酒している際には、車で帰宅する意図はなく、スナックC店でカラオケを歌っている際に居合わせたお客と意気投合し飲酒を重ねているうちに酩酊。意識のないまま勤務先D社で営業に使用している車をもちだしその車を運転)帰宅途中、歩行中の乙をひき殺したという場合、試案はどこまで処罰を及ぼそうとするのだろうか。A店、B店、C店、さらに一緒に飲んだ同僚、C店のお客、さらには車両管理の甘かったD社まで責任があるとするのであろうか。刑罰を科する前提となる責任主義の原則に反し、試案では、責任を問えないところにまで処罰を拡大しかねない危険があり、酒類を提供する飲食業などは営業が成り立たなくなる恐れもある。

2、「酒類を帯びて車両を運転するおそれのある者に対して酒類を提供して飲酒させた者」とは構成要件がきわめて曖昧・不明確であること。

「酒類を帯びて…運転するおそれがある」ことをもって罰するとすると、運転免許を有するものすべてに酒類の提供ができないこととなりかねない。また、本来自己責任に属することに「処罰を恐れ」無用なお節介をせざるをえないこととなり私人間にトラブルを招く原因ともなる。

 また、「参考」では「飲食店の店主が車で来店した常連客がこれまで度々飲酒後に車を運転して帰っていることを知りながら、その注文に応じて当該常連客に酒類を提供して飲酒させた場合等に該当する」と例示があるが、試案からはそのような趣旨はとうてい読み取れない。

 また、同試案が事業者のみを対象にしたものかどうかも不明である。
 もし、参考事例のような場合のみを処罰しようとするなら、現行法のもとで教唆・幇助で対応は十分可能である。

3、内閣府が今年10月行った世論調査では7割以上が飲酒運転の運転者の罰則強化を求めているが、同乗者や酒類を提供した人への罰則強化まで求める人は、調査では4割台にとどまっており国民は慎重な対応を求めている。
  2006年1月10日 全国商工団体連合会
   
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