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全国商工新聞 第2798号 9月17日付
教育 文化
公演開始 シャッター通り商店街
暗いモチーフに夢を
芝居で幸せな街づくり考える
作者 高橋正圀さんに聞く
青年劇場が14日から「シャッター通り商店街」を公演します。「自分たちで住みよい町をつくっていこう」と頑張る地域の人びとを描いた作品。作者の高橋正圀さんに商店街を取り上げた理由や見どころなどを聞きました。
「シャッター通り商店街」のチラシ
あれは2年前。次の企画を考えている時、劇団の代表から「シャッター通りはどうでしょう」と持ちかけれ、なるほどと思いました。現代を描くにはピッタリの素材だし、お客さんに興味を持ってもらえるのではないかと思いました。ところが、取材を始めてみると、暗く重い、身につまされる話がほとんどで気が滅入ってしまうんです。しかし現実はそうであっても、芝居はそれではやる意味がありません。特に僕の芝居は喜劇タッチが身上ですからなおさらのことです。シャッター通りをモチーフに夢を描けるかが最大の目標になりました。
基本的に、ドラマというものは敵味方の[藤が軸になって進行するもので、シャッター通りの敵は一般的には街の郊外にできた大型量販店といううことになるんでしょうが、その敵の顔をどう表現すればいいのか悩みましたね。映像ならばいろんな所へカメラが入り込めますが、演劇は全部、人間で表現しなければならないということが難しかったです。
多くの方にお世話になりました。東京・新宿区の神楽坂商店街の会長に、商店会というものはどういうものか基本的な考え方を教えていただきました。群馬・前橋市の取材では、シャッターを開けんがための具体的な苦戦苦闘を目の当たりに見せてもらいました。びっくりしたのは、商店街を知らない若者がいたという現実です。ほとんどコンビニで事足りて、商店街で物を買ったことがないと聞いてカルチャーショックを覚えました。そしてそれは物語を推し進める重要なモメントに発展していきました。「若者を商店街に呼ぶ」は商店街にとってもこれからの課題だと思います。
「シャッター通り商店街」というタイトルから、読者諸氏はどんな芝居を連想なさるでしょうか。暗く重い…まったく違います。全編喜劇タッチの明るい芝居です。見終わって、よし明日も頑張るぞと思っていただくのが作家としての信条で、今回も例外ではありません。
今、稽古は佳境に入り、本番さながらのリズムが生まれています。初日のお客さんの反応が今から楽しみです。僕も末席に座って、人は本来どんな街に住めれば幸せか一緒に考えたいと思います。
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