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  トップページ > 国保・年金のページ > 国民年金 > 全国商工新聞 第3138号10月6日付
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売掛金差し押さえ解除 事業計画を示して交渉=兵庫・西宮

 社会保険料の滞納を理由に600万円の売掛金が差し押さえられた兵庫・西宮民主商工会(民商)のTさん=衣料品販売=は西宮年金事務所と交渉し、9月17日、差し押さえを解除させました。これをきっかけにTさんは民商に入会し、仕事に励んでいます。

「給料の原資」を返せ
 「年金事務所に解除ができないと言われた時には、破産の手続きをしなければと床にへたり込んだ。あのとき、西宮民商に相談に行っていなければ、今はありません」と話しています。

売り上げ減少納付が困難に
 Tさんは2010年、滋賀県草津市に本社を置く衣料品メーカーの委託販売会社を開業しました。翌年から売り上げが減少し、社会保険料の納付が困難に。それでも毎月1回以上は、年金事務所に出向いて分納を続けてきました。
 しかし、4月に担当者が代わると分納を認めず、今年度分と未納分の合わせて毎月200万円を納付するように言われ、さらに売り上げが伸びた月は100万円〜200万円の追加納付を迫られました。「できなければ売掛金や財産を差し押さえる」と言われ、やむなく納付誓約書に押印。しかし、4月からの消費税増税や天候不順などの影響で例年より売り上げが減少し、8月には生命保険が差し押さえられ、未納分の社会保険料に充当されました。
 Tさんは納付の努力を続けましたが、未納額は2300万円となり、9月1日、工面した10万円を年金事務所に持参したときには、「こんな金額では追いつかない。もう結構。差し押さえを行います」と非情な通告を受け、二つの会社の売掛金を12日に差し押さえると通知されました。
 Tさんはインターネットで探し当てた滋賀・草津甲賀民商に相談。8日に西宮年金事務所に出向いて「このままでは従業員に給料が払えない。差し押さえを解除してほしい」と訴えました。しかし、「廃業するかどうかは社長さんの判断」と冷たく言われ、目の前が真っ暗になりました。

国会論戦示し粘り強く主張
 草津甲賀民商は西宮民商に協力を要請。西宮民商は9月11日、日本共産党の高橋千鶴子衆院議員に西宮年金事務所の所長や徴収課長と面談できるよう依頼。Tさんは翌日、民商の山田平会長らと西宮年金事務所に出向き、「このままでは月末に55人分の給料が払えず倒産に追い込まれる」と訴えました。
 また、衆院財務金融委員会(09年2月22日)で日本共産党の佐々木憲昭議員の質問に対し、与謝野馨財務金融相(当時)が「租税債権より(賃金は)先取特権があると思う」と述べたことを取り上げ、「差し押さえられた売掛金はすべて給料に充てるものであり、先取特権がある」と主張。Tさんは事業計画書や返済計画書とともに資金繰り表を作成し、経費の約90%が給料と法定福利であることを明らかにしました。
 徴収課長は「事業計画や返済計画を作成してもらい、それを専門家に見せて納付が可能かを判断して対応したい」と回答。山田会長は「給料の支払いは労働基準法で事業主に義務付けられている。民法では労働者への賃金支払いを税金よりも優先する先取特権を認めている。給料の原資である売掛金の差し押さえは認められない」と解除を促しました。
 Tさんは同日、厚生労働大臣に差し押さえの解除を求める請願書を提出しました。翌日、年金事務所は差し押さえを強行しましたが、Tさんは連休明けの16日に事業計画などの書類を提出。翌日3度目の面談で徴収課長は「私の判断で差し押さえを解除する。民商さんも(計画書などを)チェックしてくれたと思うので信用する」と話し、差し押さえ解除を指示しました。

全国商工新聞(2014年10月6日付)
 

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