社会保険料滞納 売掛金の差押を回避=秋田・能代
秋田・能代民主商工会(民商)のKさん=自動車部品製造=は先ごろ、社会保険事務所と交渉し、社会保険料(約300万円)の滞納による売掛金の差し押さえを回避させました。「廃業になったが、何とか従業員に給料を支払うことができた。再び商売がしたい」と話しています。
「社会保険料の滞納で売掛金を差し押さえられてしまい、商売ができなくなった」。Kさんは円高不況で売り上げが落ち込み、社会保険料を納めきれず、2011年末に社会保険事務所に納付相談をしました。
しかし、社会保険事務所は納付不可能な計画書を作らせ、誓約書まで書かせました。その結果、保険料は計画通り払えませんでした。さらに、社会保険事務所は「取引停止になると事業の継続ができなくなる」と懇願していた取引先の売掛金を差し押さえ。事業を続けられなくなり、廃業に追い込まれました。13人の従業員に「最後の給料だけでも払おう」と考えていたKさんは、他会社からの売掛金までを差し押さえられることを心配し、インターネットで秋田民商のHPを見つけて相談しました。
民商の事務局はすぐに役員と相談し、Kさんと一緒に社会保険事務所へ行き抗議。また、振り込まれる売掛金は従業員の給料で差し押さえ禁止財産にあたり、徴収行為をしたら違法行為であることを認識させました。
Kさんは、事業所があった能代民商に入会し、新事業での再起をめざしています。
全国商工新聞(2012年7月2日付)
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