3年越しの運動実り国保税4300円引き下げ=一関市
中小業者の実態を伝え国保料の引き下げを求めて要請書を市長へ手渡す一関民商の武藤利通会長(左)
岩手県一関市は2月18日、市議会3月定例会で2010年度から国保税額1人平均4306円の引き下げを決めました。
企業の撤退に伴う失業者の増加、中小業者の経営悪化などを踏まえ、一関民主商工会(民商)をはじめ民主団体や日本共産党市議団の運動が実ったものです。
一関民商は、07年秋より会内外の業者への対話活動を実施し、営業や暮らしについて聞き取り調査を実施。この結果から総会で「払える国保税への引き下げ」と「高負担に見合った保障制度への改善」を実現しようと決めました。
08年11月には「一関生活と健康を守る会」と共同で、浅井東兵衛市長(当時)に国保制度の改善を要請。民商会長の武藤利道さん=自動車整備=は、国保に加入する会員や地域の労働者の実態を伝え、国保税を引き下げ、制度を充実させることを強く求めました。
しかし、市は09年3月議会で1人あたり7000円の国保税引き上げを可決。民商などは09年6月議会に向け、31億円の臨時交付金を財源に国保税の値上げ凍結を求め、国保税の引き下げや福祉向上に充てる合理性を主張しました。
ところが、市は国保財政が厳しいこと、同交付金を凍結財源に充てることは交付金趣旨に異なるなどと回答しました。
11月には、新たに選出された勝部修市長に、国保税の引き下げなど16項目を要請しました。
今年2月の市議会議員全員協議会は姿勢を一転させ、「厳しい経済情勢を踏まえて被保険者の負担軽減と公平化を実現する必要性がある」と国保税の引き下げを提起。改正案は18日の本会議で議決されました。
運動を推進してきたOさん=食料品卸=は「自分たちの声が行政を動かした。要求が実現したことに心からの喜びを感じるし、日々の仕事の励みにもなるよ」と、運動への確信を深めています。
民商は、依然として高負担の国保税のさらなる引き下げを求めて運動進めようと話し合っています。
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