350万円スピード融資 地元信金が商売支援=山形・鶴岡民商
「現場で頑張れる」
山形県鶴岡市で「阿蘇興業」を営む阿蘇忍さん=建築=は9月23日、鶴岡民商に相談して350万円の融資をスピード実現しました。「これで現場に入って頑張れる」と、笑顔。同世代の同業者や自営業仲間にも「一緒に商売を伸ばしていこう」と声を掛け、民商会員や青年部に迎えています。
公庫拒否でもあきらめず
独立して3年、これまで4次下請けとして仕事を受けてきた阿蘇さん。真面目に取り組む姿勢が認められ、仕事先から「2次下請けにならないか」と誘いを受けたのは今年8月でした。足場や工具類などの設備が必要になったため、さっそく日本政策金融公庫に申し込みました。
しかし、以前、外注費未払いの穴埋めのために借りたカードローンの未返済を指摘され、融資を断られました。すぐに返済して再度申し込んだものの、けんもほろろに断られました。
途方に暮れた阿蘇さんは、知り合いから勧められ、9月初旬に鶴岡民商事務所を訪問。「地域の業者にお金を回してくれるのは信用金庫。もう一度相談してみよう」と励まされ、鶴岡信金の融資に挑戦することにしました。
「若い事業者は金融機関との顔を合わせた付き合いが少ないし、信頼も勝ち得ていないから、借り入れが大変。その苦しさが分かるからこそ、力になりたい」と遠藤強副会長も激励。さっそく信金の専務に連絡し、担当者を紹介してもらいました。
数日後に開かれた信金との懇談で、阿蘇さんは事業内容や従業員4人の給料など先々を見通しての資金繰りのビジョンを話し、「しっかりした元請けと良い関係を築き、商売を伸ばしていきたい」と語りました。
熱意と将来性が伝わり、3日後に融資実行の連絡が。阿蘇さんは、すぐに民商と遠藤副会長に連絡し喜びを伝えました。
現場に入るようになって、1カ月半。「仕事も軌道に乗ってきた。今は個人だけど、ゆくゆくは法人化して、どの現場でも2次下請けをめざしていきたい」と展望が広がっています。「いま頑張れているのは民商が支えてくれたから。若い人たちで力を合わせてみんなで商売伸ばしていきたい」と、さっそく仲間も増やしています。
全国商工新聞(2017年11月13日付) |