小規模小口資金で250万円 謝絶の銀行と再交渉=岩手・一関民商
岩手・一関民主商工会(民商)の小田徹さん(仮名)=電気通信工事=はこのほど、岩手県の「小規模小口資金」で設備資金250万円を獲得しました。「民商の仲間と勉強した結果。1%台の驚くほど安い金利で借りられてうれしい」と笑顔を見せています。
小田さんが業務用車両の買い換え資金の調達を考えたのは昨年12月。自己資金で対応できたものの、何かあったときのために運転資金を確保しておきたいと、車両価格300万円のうち、250万円を借り入れることにしました。
相談した一関信用金庫では、職員が親身に対応してくれましたが、1月末に「保証会社がダメと言っている」と連絡が。理由を尋ねましたが、担当者は「保証会社の都合であり、個人情報でもあるため分かりません」と対応しました。
疑問を感じた小田さんは民商に相談。検証すると、小田さんが「業務用車両の購入資金」と伝えていたにも関わらず、信用金庫が自家用車の購入に充てる「マイカーローン」の手続きを進めていたため、保証会社の審査が入っていたことが分かりました。
民商で金融庁の指針を学習した小田さんは、金融機関(信金)が理由を示さず一方的に融資を断るのは許されないことや、県や市が中小業者向けの低利融資制度を設けていることを知りました。
再度一関信金を訪れ、「県の『小規模小口資金』制度を使いたい。これならば『保証会社』は問題にならないでしょう」と主張。担当者はすぐに手続きに入り、3月中旬には希望額の250万円の融資が実行に。市の金利補給も受けて、2.15%の金利が1.05%まで引き下げられました。
「学習こそ要求実現の原動力」を実践した小田さん。「民商の会員で良かったなぁ。あきらめずにたたかうことの大切さを実感した」と喜びつつ、「本当ならば、信金は相談の時点で『県の融資制度があります』とアドバイスするべきだったはず。金融機関の姿勢を正すことが必要」と話しています。
全国商工新聞(2017年9月11日付) |