事業計画練り直し 創業融資350万円実現=名古屋南
「これで仕事も断ることなく受けられる」と笑顔で語るのは、名古屋南民主商工会(民商)の出口昌秀さん=塗装。昨年11月に開業し、今年2月19日、創業融資350万円を実現しました。一度は断られた融資でしたが、あきらめずに計画書を練り直し獲得しました。
出口さんは昨年12月、一人親方の労災や申告要求で民商に入会しました。息子さんをはじめ3人の若い従業員を雇い、元請けからも声が掛かり、2カ所以上の現場を掛け持ちすることもあるなど仕事は順調。しかしまだ開業したばかりで取引先の信用もなく、足場や塗料、ネットなど全てが現金払いで、手持ち資金が不足し、来た仕事も断るしかない状況も出てきました。
運転資金が必要になった出口さんは、一人で創業計画書を作り、日本政策金融公庫へ足を運びましたが、「住宅ローンをはじめ借入残が多い。保証人を付けてもだめです」と窓口で断られました。
「どうしても運転資金が必要」と民商に相談すると、「資金が必要な理由と返済見通しを明確にして再挑戦しよう」とアドバイスがありました。
何日もかけて創業計画書を練り直し、創業後6カ月まで申請可能な名古屋市小規模事業金融公社の創業支援資金350万円を申し込みました。
計画書には「若いスタッフを力にした仕事の確保」と今後の展望や、「この現場ならこの材料といくらの経費が必要」など具体例を記入。融資額の根拠と事業に必要な理由を示しました。また、「借り入れが多い」という不安要素に応えられるよう、住宅ローンや太陽光パネル、車のローンなど借り入れの内容や残高と返済計画を明確化。担当者の質問にすぐ答えるため、クリアファイルに資料を整理し、2月12日の審査に臨みました。
1週間後の2月19日「満額350万円融資を実行します」と公社から連絡がはいりました。
「5日間でお金が入金されてほっとした」と喜ぶ出口さん。「塗装には細い筆一本で丁寧に仕上げる工程もあり、さまざまな技術が必要。若い従業員に伝授しながら、お客さんにも施工を提案していきたい」と話しています。
全国商工新聞(2015年3月23日付) |