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  トップページ > 金融のページ > 融資等 > 全国商工新聞 第3158号3月2日付
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金融 融資等
 

「伴走型支援」で融資実現 仲間と問題点を整理・発見=大阪・吹田

経営力もアップ
 大阪・吹田民主商工会(民商)は事業計画を作成し経営を見直すことで、会員の融資要求を相次いで実現しています。重視しているのが「一緒に問題点を整理し、書類をつくり上げる」伴走型支援。合言葉は「経営力発展の種はあなた自身の中にある」です。

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仲間と経営分析を進める吹田民商の会議

 融資相談に訪れた業者に対して民商がまず行うのは、(1)借り入れ目的と具体的な使途(2)いくら必要か(3)何に使うのか、借り入れがうまくいくとどうなるか-などについての徹底した聞き取りです。

説明できる力に
 「時間をかけて行うことで、自ら問題点を整理・発見する。それが融資を申し込む理由を金融機関にしっかり説明できる大きな力になる」と、同民商の役員・西尾栄一さんは言います。
 聞き取りをもとに書き込んでもらうのが、民商が作成した(1)経営状況の推移(2)SWOT分析(3)事業計画書 ―― です。
 経営状況の推移には、3年間分の売り上げ、原価、経費、純利益などを数値で記載。また、得意先、仕入れ先、外注先の変動などとともに「家庭や自らの心境の変化」を書き込みます。「自分を振り返る力がないと、現状把握ができない。未来が見えてこないからです」と西尾さん。
 SWOT分析では、自らの経営の(1)強み(2)弱み(3)機会(4)脅威-の四つの視点で経営課題は何かをつかみ、事業計画書には方針と行動計画((1)収益力(2)営業力(3)商品・技術力(4)社長・社員力)を書き込みます。
 その際、大事にしているのが「伴走型支援」。事務局や役員が「一緒になって考え、書類の完成まで責任を持つ」ことです。
 金融機関には、融資申込書とともに民商でつくりあげた三つの文書を添付して提出します。「金融機関が審査するのは、数値に示された企業の“過去”です。未来を語ることはもちろん大事ですが、過去について語れない人は未来を示せません」と、西尾さんは強調します。
 こうした方法で融資を実現した会員が昨年末以降、2人います。
 その一人が設備会社の社長。民商が取り組んできた事業計画書勉強会にも参加しました。その中で「待ち」の営業から「攻め」の営業に転換、売り上げも利益も伸ばしました。

模擬面接を実施
 金融機関との面接直前には、民商で「模擬面接」を実施。その結果、減額されたものの450万円の融資を実現しました。「減額されたのは残念でしたが、事業計画づくりに参加したことで、自らの経営を振り返り、質問されたことにもきちんと答えることができました。そのことが融資実現の大きな力になった」と話します。
 約400万円の開業資金を実現したのは、飲食店を開業した34歳の若手経営者。伴走型支援でSWOT分析に挑戦し、「強み」として長年にわたる店長経験を上げる一方、資金力の弱さ、消費税増税などを「弱み」「脅威」と分析。金融機関にもしっかり説明し、満額融資を実現しました。
 吹田民商では、かつて年間数十人あった融資相談が半減。民商では、「不況の中で借り入れ意欲が減退しているのが現状。それだけに融資要求を実現することが、商売の発展にもつながり、民商の大きな魅力になる」と、引き続き経営力アップに力を入れていくことにしています。

全国商工新聞(2015年3月2日付)
 
   

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