政策金融公庫で創業融資1400万円=愛知・名古屋南
「地域の人が気軽に集まれるアットホームな店にしていきたい」―。「カフェ&キッチン レーブ」をオープンした名古屋南民主商工会(民商)の高田浩江さんが抱負を語ります。民商の仲間の励ましを受け、日本政策金融公庫で1400万円の創業融資を実現。明るい笑顔で店を切り盛りしています。
「地域の人が集える店を」と話す浩江さん(右)と母の京子さん
夢の実現へ仲間が応援
融資を元手に新築した25席、2階建ての店は、日光がさんさんと入る開放的な雰囲気。看板は民商の仲間が手掛けました。名古屋の定番モーニングから、チャーハンやラーメンなど中華料理店を営んでいた母・京子さんのメニューも人気で、お店には近所の主婦たちが集うようになりました。「中華料理店時代のお客さんが来てくれて、『味が変わってないね』って喜んでくれる」と京子さんもうれしそうです。支部の仲間も訪れ「ここで班会を開きたい」「困ったことがあったらすぐに駆け付けるから」と声援を送ります。
日光がふりそそぐレーブの外観
高田さんは、京子さんの営むスナックや中華料理店で25年間一緒に働いてきました。自宅の移転をきっかけに「世代交代して、融資を受け喫茶店を独立開業したい」と、京子さんに相談。元民商会員の京子さんの紹介で昨年6月、民商を訪れました。
「融資のことは全く分からなかった」という浩江さんは、市の新事業支援センターへ民商の仲間と一緒に訪問し、融資の窓口や創業補助金についての情報を収集。支部の役員と相談しながら事業計画書を作成しました。「みんなが自分のために集まって、話を聞いてくれた。本当に心強かった」と振り返ります。
7月4日に日本政策金融公庫に申し込みました。面接では「経験を生かし、幅広い料理を提供できる」「開業予定の地域には飲食店が少ない。地域の活性化やコミュニティの場をつくりたい」「店舗の近くには工場が多いため集客が見込まれる」など熱意と展望をアピールしました。公庫の担当者は「こんなにしっかりした事業計画書なら落とす理由はありません」と返答。3日後には公庫から融資実行の連絡がありました。
「自分たちだけでは融資を実現することができなかった。民商の仲間がいたから最後まで頑張れた」と話す高田さん親子。「レーブ」はフランス語で「夢」の意味です。仲間に支えられ、母の歴史と娘の思いが詰まった「夢」がいま形になっています。
全国商工新聞(2015年1月5日付) |