政策公庫で融資実現 金融庁HP「大臣目安箱」活用=大阪・堺北
大臣目安箱を活用し融資をかちとった―。大阪・堺北民主商工会(民商)会員のHさんは、いったん断られた融資について金融大臣直通の「大臣目安箱」に投書、金融機関とも粘り強い交渉を重ね、4月27日に運転資金400万円の融資を実現しました。Hさんは、「自分も融資を実現した商工新聞の記事に励まされた。今度は自分の事例が全国の仲間を励ますことができたらうれしい」と、喜びを語っています。
不誠実な対応ただす
堺市内で3年前に独立して健康食品の卸・販売を開始、1年前に株式会社健康館を立ち上げたHさん。個人事業主時代から日本政策金融公庫(政策公庫)から運転資金を借り入れ、実績を積んできました。
経営改善重ね
企業努力によって事業成績を順調に伸ばしてきたものの、売掛金が増えて資金繰りが難しくなり1月に500万円の融資を政策公庫に申し込みました。
昨年も資料や商品を用意し、2度にわたり政策公庫に追加融資を申し込んだHさんですが、借り入れは実現できないまま。しかしその都度、理由を聞き出し、指摘された部分の改善に取り組んで来ました。
今回の申し込みでは経理担当の従業員とともに改善した点を列挙、運転資金の必要性を訴えようと十分な資料を準備し、面接に臨みました。
再面接を要求
しかし、担当職員は資料などに手をつけることもなく短時間で面接を終了。数日後に融資不可の回答文書が届きました。
納得できないHさんは政策公庫に理由をただすと、「信ぴょう性にかける試算表、来期も同じ営業成績を残せるか不透明」との回答でした。
政策公庫の不当な対応に、Hさんの怒りはピークに。民商と相談して金融庁ホームページの「大臣目安箱」に、これまでの経緯や誠実さのない政策公庫の対応を投書、再面接を求めました。
その直後に政策公庫から連絡があり、今度は課長代理が再面接。課長代理は詳細に資料に目を通すとともに後日、Hさんの営業所を訪問、現状を詳しく聞き取りました。
その結果、申込額より減額されたもののセーフティーネット貸付資金で400万円の融資決定の通知を無事に受けとることができました。
融資をかちとったHさんは、「納得できないときは自分から働きかけて行く事が大切」と話しています。
全国商工新聞(2013年5月27日付) |