借入金利引き下げ 9.50→1.05% 金融円滑化法活用=岩手・一関
金利引き下げが実現し喜ぶ 佐々木さん
岩手・一関民主商工会(民商)の佐々木克彦さん=左官=は、中小企業金融円滑化法を活用し、既存の事業融資の金利を9.50%から1.05%へと8.45%も引き下げ、さらに50万円の復旧融資を11月下旬に実現。「これで商売が続けられる。本当に良かった」と笑顔いっぱいです。
佐々木さんは、3・11東日本大震災と、その後の余震で、自宅兼事務所に大きな被害を受けました。しかし、市による被害認定は「一部損壊」。支援制度の枠外に置かれたことで、自己資金での復旧を強いられ、結果として資金繰りに困難が生じました。
困った佐々木さんは民商に相談。新規融資を活用し、再建を図ろうと役員とともに収支計画の策定を行いました。その中で、一関信用金庫から3年前に借り入れた事業資金が9.50%もの高金利で経営を圧迫している事実が判明、金融円滑化法を活用して低利の融資に借り換えを行い、月々の支払いの減額を図ることにしました。
佐々木さんは昨年7月、民商の仲間とともに一関信用金庫萩荘支店と交渉。金融円滑化法を順守した対応を求める要請書を提出の上、借り換えによる金利の引き下げを求めました。対応した支店長代理は、要請に快く応じた上で、9.50%もの高利で貸し付けを行った件につき、「担当者の配慮が欠けていたのは事実。おわびしたい」と率直に謝罪。親身になって相談対応を行うことを約束しました。
9月下旬、信金は佐々木さんの要求通り、融資残高200万円を県制度融資への借り換えによって対応することを正式に決定。9.50%の融資が2.15%となったことに加え、一関市が1.10%の利子補給を行ったことにより、実質金利は1.05%まで下がり、月々の返済額を大幅に減額しました。さらにその直後に申し込んでいた復旧融資50万円も11月下旬に実現しました。
佐々木さんは、「こんなに金利が下がるとは驚いた。これで本格的な復旧ができます」と喜ぶとともに、「この成果は民商の運動があってこそ」と話し、「班会を通じ、みんなにもこの経験を伝えていきたい」と張り切っています。
全国商工新聞(2013年1月7日付)
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