生活福祉資金活用 設備資金105万円=岩手・一関
岩手・一関民主商工会(民商)の井上毅さん(仮名)=仕出し=は5月下旬、生活福祉資金(福祉費・生業を営むために必要な経費)として設備資金105万円の貸し付けを実現。昨年7月から、10カ月にもわたって社会福祉協議会(社協)と交渉を続けた結果です。「商売を続けられるのはうれしいが、迅速な対応が取られるよう、制度の改善を求めたい」と話しています。
井上さんは、震災の影響によって各種イベントが相次いで中止になり、売り上げが激減。金融機関からの融資を得て経営の立て直しを図ろうと考えましたが、税金の滞納が多額に上っていることから融資をあきらめざるを得ず、民商に相談しました。役員から生活福祉資金制度を紹介され、昨年7月に事務局員とともに一関市社協の担当者に相談しました。
窮状を訴える井上さんに対し、社協の担当者はまともに対応をせず、「福祉資金の対象とはなりません」と断言。「貸し付けはできません」と門前払いの対応でした。井上さんは担当者の対応は制度の趣旨に反していることを指摘するとともに、貸付対象となることを主張、厳しく抗議しました。その後、二度にわたって担当者と交渉し1カ月後にようやく申請が受理されました。
しかし申請から数カ月が経過しても社協からは何の連絡もなく、いよいよ資金繰りが限界に達した井上さんを助けようと、役員が12月に県と交渉。福祉資金の審査を急ぎ、早急に貸付を行うように求めました。
交渉後の今年1月、県社協から、「貸し付けを行う方向で考えている。再度審査する」と連絡が入りましたが、再び連絡は途絶えました。
余りに不誠実な対応に、日本共産党の高田一郎県議の協力を得て、社協の担当者に抗議し貸し付けがようやく決定されました。
全国商工新聞(2012年6月25日付)
|