府制度融資の改悪反対! 自治体・協会窓口の継続を=大阪
「中小業者の融資の道を断つな」―。大阪商工団体連合会(大商連)は1月23日、大阪府が廃止を狙う「小規模サポート資金」の信用保証協会申し込み(あっせん)方式の存続を求めて府と交渉しました。大商連の三谷信雄会長=製缶=をはじめ23人が参加しました。府はあっせん方式の廃止に固執する姿勢に終始しました。
「小規模サポート資金」は無担保無保証人で1250万円まで借りられる中小業者向けの制度融資。「あっせん方式」とは、融資を受ける際に借り手が保証協会に申し込み、保証協会が最初の審査を担う方式です。府は「あっせん方式」の廃止を2月議会にも提案しようとしています。
交渉で府はあっせん方式について、中小業者の円滑な融資に貢献していると評価しながらも、「金融機関も責任を負うべき」と、廃止を主張しました。さらに、今後例外的にあっせん方式を希望する場合は、商工会議所や商工会に窓口を限定すると話しました。
参加者は、「4割以上の中小業者があっせん方式を利用している中で、廃止する根拠を示せ」「中小企業振興基本条例は基本方針に『中小企業に対する資金供給の円滑化』をうたっている。あっせん方式の廃止は中小企業振興基本条例に反する」と迫りました。
大阪府ではこれまで、自治体だけでなく、保証協会があっせんの窓口になり、金融機関は保証協会の審査に原則従っていました。
他の自治体があっせん方式を廃止する中でも、制度を維持し今日までその役割を果たしてきました。
参加者は「あっせん方式が廃止されれば、金融機関が審査を主導することになり、金融機関の都合での選別・淘汰が進み、多くの業者が制度融資の道を断たれる可能性がある。あっせん方式の廃止は、セーフティネット融資への預託金の廃止に続く改悪。あっせん方式は存続すべき」と訴えました。
大商連では、府議会全会派への緊急要請をはじめ、地元選出の府会議員や業者団体・商店街への申入れや団体署名など緊急行動を提起。中小業者の融資の道が絶たれる大改悪を撤回させようと奮闘しています。
〈解説〉
あっせん方式は制度融資を申し込む際、地方自治体や保証協会が窓口となる方式です。制度融資には、金融機関に直接申し込む方法と、自治体や保証協会が窓口になるあっせん方式があります。金融機関に申し込む場合、利潤や採算性を優先した審査をするため中小業者への融資に消極的になります。それに対してあっせん方式では中小企業の保護、育成という地方自治体の政策理念が反映し、金融機関に比べて積極的な融資を行う傾向にあります。大阪府の場合は保証協会も窓口になり、「中小企業者等に対する金融の円滑化を図る」との信用保証協会法の理念に基づき、審査を行っています。
構造改革路線の中で全国的にあっせん方式が縮小・廃止されてきましたが、中小業者が制度融資を広く活用できるように「あっせん方式」の存続が求められています。
全国商工新聞(2012年2月27日付)
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