生活福祉資金(生業費)454万円 借り入れ実現=宮崎・小林
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宮崎・小林民主商工会(民商)のOさん=大工=は5日、生活福祉資金(生業を営むために必要な経費)で希望どおり454万円の貸し付けを実現しました。民商や宮崎県商工団体連合会(県連)、市議が一丸となって取り組み、4カ月にわたる交渉の末にかちとった成果です。
春から夏にかけて宮崎県を襲った口蹄疫。畜産業だけではなく、多くの業者や市民が深刻な被害を受けました。Oさんも移動規制等により現場に出向くことができず、売り上げが激減。資金繰りに行き詰まりました。
7月8日、民商に相談して小林市社会福祉協議会(市社協)に生活福祉資金を申し込みましたが、「前年度の所得では、貸し付けの対象に当てはまらない」と、事前審査で宮崎県社会福祉協議会(県社協)が断ってきました。すぐに「口蹄疫で売り上げが下がっている。前年度の所得で考えるのはおかしい。生活保護の1.5倍(※)が対象なのに、受け付けすらしないのか」と交渉し、申込書を提出しました。
民商役員や時任隆一市議とともに同月26日、市社協と交渉し、所得証明書を出しているのに「前年度の損益計算書を提出してください」と必要ない書類の提出を迫られたことなどを訴え、手続きの簡素化を求めました。
8月4日に一通りの必要書類を提出しましたが、県社協は何度も書き直すよう指摘。口蹄疫被害や大工の請負仕事を理解しないものばかり。市社協で細かく説明していても、県社協に伝わっていないのか、同様の指摘をされることもありました。さらに設備資金の貸し付けを低く抑えるため、「今より低い金額の設備はないか」と、見積書の再提出も求められました。「機械がそろわなければ仕事ができない。生活もできない。廃業するしかない」とOさんは10月26日、県連の小西文孝事務局長とともに県社会福祉保健部に「申し込みからもう4カ月。スムーズに進むようにしてほしい」「申し込み段階で必要な書類を整理して渡してほしい」と申し入れました。
その後、正式に貸し付けが決定され、設備資金379万円、運転資金75万円が振り込まれました。Oさんは「これで大工の仕事を続けられる」と胸をなでおろしています。
※所得の目安は生活保護基準の1.5倍〜2倍
▼生活福祉資金とは
低所得者、高齢者または障害者に対し、資金の貸し付けと必要な援助指導を行うことにより、経済的自立および生活意欲の助長促進並びに在宅福祉や社会参加を促し、安定した生活を送れるようにすることを目的とした制度です。他の融資制度と比べて低金利(保証人あり:無利子、保証人なし:年1.5%)などで利用できることが特徴(表参照)。制度の詳細については、お近くの民商におたずねください。
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