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苦境の業者に勇気と自信与える民商ビラ
融資獲得し商売で生き抜こう
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入会の手続きなど説明を受ける新会員の2人 |
北海道・帯広民主商工会(民商)はこの春、「もうこれ以上の犠牲者は出さない」「民商と一緒に商売を生き抜く力を」と運動を展開。「セーフティーネット保証、制度融資の活用で勇気と自信を持って」の民商ビラ持って毎日相談者が訪れています。この運動は会員拡大に結びつき、12月に14人、1月は23人、2月に入り10人が入会しています。
十勝管内では、一昨年末から毎月のように「自ら命を断つ」という痛ましい事件が報告されていました。その上に「100年に一度の大不況」といわれる経済危機。こうした事態をなんとしても乗り越えようと帯広民商では昨年末「もうこれ以上の犠牲者を出さない」「民商と一緒に商売で生き抜く力を」とのビラを全会員に送付。地域の中小業者や金融機関の窓口、市町村の窓口でも読まれるように、地元紙に折り込みました。
緊急保証のビラ
昨年11月には「セーフティーネット保証、制度融資で勇気と自信を持って」のビラを作製。12月までに7万5000枚を地元紙に折り込み、危機打開の道へ一歩を踏み出しました。「経営改善の検討」「生活改善の検討」「資金の確保、支払い方の検討」ができるように工夫したビラは、民商の融資獲得のノウハウをアピールしています。
相談者から「消費税・源泉徴収の税金滞納を理由に融資を断られた」という声が相次いだことから「納税の猶予を申請しよう」「換価の猶予の決定をもらおう」など税務署への運動を強めるとともに、金融機関と交渉して打開しています。
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自主計算・自主申告など自分で記入して「民商で相談して助かった」と喜ばれている資金繰り表が載ったビラ |
国保滞納でも
融資を申し込んだ飲食業者は、国保・年金を滞納していましたが、「商売で入ったお金は、どうしても優先的に商売の支払いに回すのでやむなく滞納している」と相談に。民商では、「商売は生活費があってできるもの、老後のことを考えると、まず国保や年金を支払い、商売上の資金繰りで足りない分は融資を申し込もう」とアドバイスしました。
憲法25条の生活権を脅かす現行制度の問題点を伝えるとともに、年金を確保できる道があると励まし、老後の不安がいっぱいだった相談者に勇気を与えています。
過去の事故でも
過去の取引で事故(保証人が代位弁済)があったことを悩んでいた仕出し弁当業者は2000万円の融資を申し込もうと保証協会に相談。「過去の信用失墜問題は別なもの」との回答を得て、融資の道を開拓しています。
運転資金必要と
「現金商売で運転資金は必要ないのでは」と断られたコンビニ経営者は100万円の融資を実現しました。自分の商売が地域で必要とされていることを説明し、今後の事業計画を示して融資にこぎつけました。
赤字続きでも
毎年の決算書は、赤字続きで資本割れしていた法人の運送会社。いままで協力してくれた取引先や親せき、自己資金の債権放棄を提案。資本割れを3年間で克服する事業計画が金融機関に承認され3000万円の融資が実現しました。
役場も民商勧め
「2期連続赤字でも申し込みできる」「税金滞納の場合でも相談に乗る」民商への期待が一気に広がり、融資実現が相次ぎました。
1月には「役場から紹介を受けた」という相談者が来ました。本別町では、町長が金融機関を直接訪問し、「地元優先」の融資を要請をしていますが、緊急保証制度の利用については、役場に来た相談者に地元商工会や帯広民商を紹介しています。特に税金滞納などの困難な事案は、結果的には帯広民商に集中しています。
滞納問題で自治体要請
帯広民商では担当地域の19市町村すべての商工課、納税課などを訪問し、十勝市町村税滞納整理機構にも滞納問題で要請を開始しています。
訪問先では「セーフティーネット保証は税金滞納もOKなのですか」「差し押さえした案件であっても、事前に連絡下さい。場合によっては差し押さえを解除しますから」と積極的に対応する約束を取りつけています。
これは政治不況
赤字であっても、税金を滞納していても、大切なのは商売への思いと相談者を激励。
「うちは大企業とは違う、従業員やその家族を守る、みんなで生き抜くのだ」など商売への思いを語り、「そのために支援をしてほしい」と金融機関に訴えています。
商売の困難な原因は、政治不況であり、消費不況による売り上げ激減、大企業の単価引き下げであることは明白です。
経営に専念して
経営危機打開の第一歩は「自主計算・自主申告・自主納税」です。経営状況をつかむとともに、払い切れない税金、高すぎる国保料(税)であることが、自ら計算することで実感できます。
中小業者の血液といえる融資獲得を困難にする原因の多くは、消費税と源泉徴収をはじめとした税金の滞納です。そのことを知った相談者が相次いで民商に入会しています。
多くの相談者は「民商に相談して良かったのは、税金や資金繰りに惑わされることなく経営に専念できるようになったこと」と語っています。
民商の存在を一刻も早く全業者に知らせ、地域が持てる力を発揮し、この苦境を乗り切ろうと頑張っています。
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