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「多重債務救済は自治体の仕事」
仙台市内でシンポジウム 民商など160人参加 |
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仙台弁護士会、消費者問題委員会は4月25日、仙台市内でシンポジウム「多重債務者救済のために‐宮城県内でのとりくみのあり方を探る」を開き、自治体関係者、弁護士、司法書士、県・市会議員、みやぎ青葉の会、民主商工会(民商)など160人が参加しました。
政府の「多重債務者対策本部」が決定した「多重債務問題改善プログラム」を、どう県内で具体化するか交流。自治体独自で対策を強化している、岩手県盛岡市、岐阜県、滋賀県野洲市、鹿児島県奄美市、長野県の事例が詳しく報告され、自治体の果たす役割、専門家集団、ボランティア団体の連携の重要性がそれぞれ報告されました。
報告した盛岡市市民部消費生活センター主幹の吉田直美氏は「行政が多重債務者救済に関与する4つの意義とメリット」として▽困窮した市民に支援の手を差し伸べるのは、自治体として当然の価値ある仕事▽本来市内で消費されるべき膨大な資金が高金利の貸金業者に支払われていることは市全体の損失。健全な消費生活を確保し、地域の窮乏化を防止する大きなメリット▽多重債務者の借金整理と生活再建は自殺や犯罪を防ぎ、安定した市民生活を守る課題▽市民を困難から解放し、借金返済偏重から納税市民、消費市民に変えることによって生活の安全・安心が図れる‐と指摘しました。
岩手県内では信用生協(全国で唯一貸付事業をおこなっている生協)が多重債務救済のための貸付制度を担っています。原資は、地方自治体が県内金融機関に預託し、金融機関はその4倍まで信用生協に出資し、それを救済資金として貸し付けるという仕組みです。
いずれの自治体も「多重債務救済は自治体の仕事」という自覚が極めて明確になっていました。
消費者金融利用者は1400万人といわれ、うち5社から借り入れしている人は228万人。3カ月以上支払いがストップしている多重債務者が267万人、そのうち法的整理にたどり着いた人は20%の40万人に過ぎず、残りの80%にあたる、200万人がいまだ解決の方途を見つけられず、家族崩壊、自殺、犯罪危機の渦のなかでもがいています。
シンポジウムではその大きな原因が大企業偏重の経済財政、低すぎる最低賃金、下請け低単価、生活保護基準以下の課税最低限、消費税をはじめとする不公平税制にあることが明らかになりました。
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