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新潟 不払いの下請け代金4千万円が解決
特定建設業者の責任を追及
新潟県立野球場の建設をめぐって下請け代金の不払いが発生していた問題で、大手ゼネコンの鹿島は5月11日、下請け業者に4000万円の解決金を支払いました。新潟民主商工会(民商)と下請け業者の運動の成果です。「代金は払われないと思っていたが、民商に相談して良かった」「団結してたたかった成果。お金で買えない経験ができて感動した」と喜びの声が上がっています。
1次下請けが代金持ち逃げ
この工事は、鹿島を中心としたJV(共同企業体)が元請けでした。下請け代金の不払いが発生したのは今年2月。内野スタンド屋根の工事代金3300万円を受け取った1次下請け業者が2月5日、行方をくらましたのです。
工事にかかわっていた下請け業者らは途方に暮れていました。そんなとき民商会員の被害者が新潟民商に相談。11社が2月15日、新潟民商会館に集まり、その場で「被害者の会」を結成(その後、3社が加わる)。日本共産党の県会議員の支援を受け、発注者で建設業者を指導する県に事態の解決に向けて動くように働きかけました。
しかし、県は「民と民との問題であり、県は関与しない」(都市計画課)、「鹿島は大臣許可なので県は何もできない」(土木監理課)と消極的で、鹿島は「1次下請けに全額払っており二重払いはしない」との対応でした。
「工事最中に『責任を持つ。困ったら相談に来い』と言ったのは鹿島ではないか」と被害者の怒りは爆発。県に対して「県民の夢の施設と知事が言い、こけら落としにプロ野球が来る、来年はオールスター戦も来るという施設に、下請け代金の不払い問題があっていいのか」と迫りました。
この問題をマスコミが取り上げ、県民も関心を寄せる中、鹿島はようやく被害者との面談に応じましたが、「民商とは会わない。会うのは被害の状態を聞くため」とかたくなな態度でした。
2度目の面談のとき、被害者の一人が「インターネットで、鹿島が全建総連との話し合いで、このような場合は特定建設業者として立て替え払いをすると言っている」と追及。鹿島の幹部は「誰が書いたのか」と右往左往する場面もありました。
一方、県も世論に押されて動き出し、泉田裕彦県知事は3月議会で、共産党議員の質問に対して「できる限り対応する」と答弁。国土交通省にも建築業法に基づく解決を要請しました。被害者の会も上京して国土交通省に要請。3度目となった4月末の面談で鹿島は、7600万円の下請け代金のうち約4000万円の解決金を支払う意向を示し、被害者の会のメンバー全員が和解に応じました。
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