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  トップページ > 経営のページ > 公正取引 > 全国商工新聞 第2837号 7月7日付
 
経営 公正取引
 

燃料高騰から中小運送業を救え
全商連・全労連が申し入れ
公取委「買いたたき」は厳正に対処
燃料サーチャージの徹底を

 「このままでは経営が成り立たない」‐‐。中小業者から悲鳴の上がる燃料高騰問題で、全国商工団体連合会(全商連)と全国労働組合総連合(全労連)は6月20日、公正取引委員会に対し、中小のトラック運送業者を救済するための「燃料サーチャージ」はじめ、不公正取引、下請け代金法違反の実効ある改善指導・規制強化を求めて申し入れました。
 
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燃料高騰に実効ある指導と対処を求める全商連と全労連の代表ら
 申し入れには、全商連から中山眞常任理事らが参加。
  応対した経済取引局の池田卓郎課長補佐は「燃料高騰分につき適正な転嫁を認めないことは、場合によりいわゆる『買いたたき』に当たると考えられるので厳正に対処する」と答えました。
  燃料サーチャージとは、燃料価格の上昇・下落によるコストの増減分を別建て運賃として設定する制度。
  航空業界などではすでに導入されていますが、トラック運送業では全商連などの働きかけで3月、国土交通省が燃料サーチャージの緊急ガイドラインを策定したばかりです。
  しかし、中小の運送業者は、燃料価格の上昇分について価格交渉を申し入れてもなかなか応じてもらえず、自ら負担せざるを得ないのが実態です。
  全商連代表は、各県連が集めた実態調査の内容を紹介しつつ、「燃料代などが高騰しタイヤ、車のローン代などの経費を差し引くと、ダンプ運転手は1日働いても、収入は1000円を切ってしまう。最低限の生活も維持できない状態」と告発。全労連の代表は「運賃が上らず、過積載やスピード違反をしなければならない実態がまん延している」などと指摘しました。
  参加者は、公取委が特別の体制もとり、荷主による運賃の不当な「買いたたき」などをやめさせ、国土交通省が示したガイドラインを尊重すべきと求めました。

埼玉・川口民商Aさん=運送
  燃料高騰で運送経営は大変、どうにもならないね。運賃の値上げを求めても問答無用という荷主も多い。上げてくれても、値上げ幅はわずか。1日3000円の値上げが必要なのに、1000円がいいところだ。
  燃料サーチャージといってもまだまだ知らない人が多い。大手は値上げ分を転嫁しているようだけど、規制緩和で毎年運送業者が増えて、価格勝負になっている。だから中小業者は運賃を上げてくれとは言いづらい。結局、こちらで値上げ分をかぶるしかない。
  何とか値上げ分を運賃に転嫁できるようにしてもらわないと、経営が成り立たなくなる。本当に困っちゃうね。

埼玉・浦和民商Eさん=運送
  燃料の高騰で経営はきつい。ガソリン税の暫定税率が元に戻った5月からの急騰は特にひどい。
  わが社の月平均の燃料代は、これまで400万円程度だったが、この数カ月で3割増に。だからといって荷主にすぐ運賃の値上げを言えない。
  燃料サーチャージを利用して運賃を上げている大手もあるが、中小はなかなかそうはいかない。
  大事なことは、業界が足並みをそろえていくことだが、そのためにも国がこの制度を自然に活用できるような対策を行うべきだ。
  10年以上付き合いのあったガソリンスタンドもつい最近、閉店に追い込まれた。それだけ経営は厳しくなっている。
   
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