|
経産省 中古家電で法改正へ
PSEマークなしの販売認める 業者らの運動実る |
|
電気用品安全法によるPSEマークがない中古家電の販売規制問題で、経済産業省は6月28日、制度を見直す方向であることを明らかにしました。今秋の臨時国会で同法の改正案を提出します。同省は全国商工団体連合会(全商連)をはじめリサイクル業者などの世論と運動に押され事実上、マークなしの中古家電販売を容認していましたが、今回の決定はそのことを踏まえた法改正をおこなうというものです。
|
PSE法に反対する若者たちのデモ(06年3月) |
今回の決定は、甘利明経済産業相が記者会見で発表したもの。「検査の結果、旧法の下でも新法の下でも生産された製品の安全性、信頼性は遜色なかった」という産業構造審議会(産構審)の意見を受けて、同相は「不必要な負担は軽減する」と述べ、PSEマークなしの中古家電の販売を認める方向であることを明らかにしました。
PSE問題への対応をめぐり、昨年3月、「経産省炎上」とも言われるほど同省への批判が巻き起こりました。
01年4月に施行された電気用品安全法は新たに製造・販売する電気製品に対してPSEマークの取得を義務付け、在庫品については品目ごとに猶予期間を設けていました。多くの電気製品の猶予期間が切れる直前の昨年2月、同省は突然、「中古品も対象」となると言い出し、民主商工会(民商)会員をはじめリサイクル業者や音楽家らが抗議と怒りの声を上げ、運動は短期間のうちに大きく広がりました。
全商連も要請
こうした運動が実り、経産省はビンテージ品を除外し、レンタルの体裁をとって事実上の販売を認めるなどの対策をとってきました。二階俊博経産大臣(当時)は昨年3月29日、全商連の国分稔会長の「安全確保のルールづくりを図り、十分な検査体制へ支援を」との要請に対して「できる限りのことをやっていく」と約束。こうした経過を経て産構審は6月28日、「製品ライフサイクル全体の安全確保の強化に向けて」の中間とりまとめ(案)と中古品安全・安心確保プログラム(案)を発表。PSEマークなしの販売を認める方向への転換を明らかにしたもの。プログラム(案)では中古品による事故を防止することを目的に「安全・安心中古品販売事業者認証ガイドライン」を策定するとしています。
これは本プログラムに参加している業界団体などが販売事業者を審査し、認証する制度で、店頭などに標識(SRショップ)を掲げ、3年ごとに更新するという内容です。同省では認証の義務付けはしないとしていますが、懸念の声も上がっています。今後、47都道府県で意見交換会を開き、二つの案は現在、パブリックコメントに付されています(8月2日まで)。
納得できる認証制度を
リサイクルショップ「素人の乱」松本哉さんの話
PSEマークなしでも中古家電を販売できることが法律で明記されるのは、歓迎すべきことですが、経済産業省が初めから調査をしていれば、旧法と新法の下での製品の安全性に違いがないことが分かっていたはずです。混乱を招いた責任は大きいと思います。
心配なのは、新たに認証制度をつくろうとしていることです。どんな内容なのか、なぜ必要なのか、販売業者にきちんと説明をし、納得が得られるようにしてほしいです。
|
|
|
|
|
|
|