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  トップページ > 経営のページ > 公正取引 > 全国商工新聞 第2768号 2月5日付
経営 公正取引
 
鳥取県が入札制度の改善条例案  ダンピング阻止、地元業者発注へ
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県土木整備部に申し入れをする鳥取県連の役員ら(左)
 福島、和歌山、宮崎の各県知事による大規模な官製談合事件が相次ぎ、入札制度のあり方を問う声が広がるなか、鳥取県では1月19日、2月議会に提出する入札制度を改善する条例案を発表しました。これまで鳥取県民主商工会連合会(県連)が県との懇談の中で下請け保護、ダンピング防止、公契約制度の導入などを申し入れてきた内容が大きく反映されています。

 条例案の主な内容は(1)3000万円以上の土木工事について、工事金額や地域、入札資格条件などを制限した一般競争入札を導入する(08年度からは250万円以上)(2)6000万円未満の工事は全県1本ではなく、3ブロックに区割りして地元業者の入札機会を広げる(3)ダンピングを防ぐために1回でも低価格で入札した業者は指名から外す(4)下請けいじめが発生しないように、調査員を3人から5人に増やす(5)談合に対するペナルティーを強化し、指名停止期間を2年まで延長する‐などです。
 鳥取県でも昨年12月、南部町で談合事件がおき、片山鳥取県知事は12月の定例記者会見で入札制度の見直しを発表しました。その時点では、公募の中から指名業者10社を選ぶ方式から、250万円以上すべてを制限付一般競争入札とするというもの。「これでは大手ゼネコンに仕事を奪われる」と県内建設業者団体からも批判と不安の声が上がりました。  県連では、あらためて「公共工事における公正なルール確立」が必要と役員会で判断し、1月16日、県土整備部と7点にわたって懇談しました。
(1)制限付一般入札制度を導入するにあたって、中小企業の分野に大手ゼネコンが参入できないよう、従来のランク制度を生かすこと(2)価格だけでなく、多様な評価基準の入札制度を実施すること(3)入札参加業者が、事前で把握できない最低制限価格制度を導入すること(4)入札参加資格は金融機関など第三者による保証を義務付ける入札ボンド方式ではなく、行政が参加資格の責任を持つこと(5)分離・分割発注を徹底すること(6)政官業の癒着禁止のため、天下り、一括発注の禁止、内部告発権を保障すること(7)予定価格の適正化と情報公開を徹底すること‐です。  応対した横井裕一県土整備部管理課長、長谷川具章県土整備部企画防災課長とは大筋で意見が一致。「県議会の常任委員会で2月県議会に上程する条例案を検討するので、詳細について回答はできないが、適正労務単価の発表などは検討する。入札資格はこれまで通り県内本店がある業者に限り、8割落札を繰り返す業者は指名を停止する。元請けに対する下請け状況調査の実施などについて水準は下げず強化する」と回答しました。
 県連では談合防止とともに、ダンピングや下請けいじめが発生しないように監視し、地元業者に仕事が回るように運動を強めていこうと話し合っています。(鳥取県連・渡辺紀子通信員)
 
 
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