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地域活性化交付金で中小業者に仕事おこし=北海道
地方自治体が地域活性化に積極的に取り組むことができるように、国は08年度補正予算で「地域活性化・生活対策臨時交付金」(交付金)を創設しました。北海道商工団体連合会(北海道連)と道内の民主商工会(民商)は「地域経済への波及効果が大きい」と話し合い、交付金で中小業者に仕事を優先発注するよう、市町村に働きかけています。
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登別市長(右)と懇談する室蘭民商の田口会長(左端) |
福祉・教育などに重点配分を
旭川民商は2月9日、旭川市に対し地域への波及が大きい福祉・教育・住宅分野に交付金(交付額約6億円)を重点配分するよう要請。「08年度の小規模修繕工事の発注額は、前年度より2割増えている。交付金は公共施設や生活道路、市営住宅の修繕などを考えている。地元業者に仕事を回したい」「登録や更新手続きの簡素化。更新期間3年への延長などを検討している」と回答しました。
会長は「中小業者は仕事がなくて困っている。交付金が零細業者に渡るよう小規模修繕契約登録制度の予算を増やしてほしい」と要望。Mさん=建築=は小さい業者は技術が劣っているわけではない。各部局に発注を指導してほしい」、高橋勉さん=塗装=は「登録制度を知ってもらうため、自分で地域の小学校回りをした。市ももっとアピールをしてほしい」と訴えました。
小規模修繕工事登録制度創設を
苫小牧民商は、苫小牧市長あてに交付金(交付額約1億7500万円)活用に関する要望書を提出したところ、10日に文書で回答がありました。
交付金の使途については「市道整備、小中学校の耐震診断、公共施設の改修、交通安全設備など11事業」を行うとしたうえで、登録制度創設については「検討」、工事発注方法については「可能な限り」分離分割発注に努める」としています。
要望は、(1)交付金の事業選定にあたって教育・福祉・住宅政策を重点に進めること(2)地域経済への波及効果を重視し、小規模事業者に優先的に発注すること(3)中小零細業者への直接発注を可能にする小規模修繕工事登録制度を創設し活用すること―など。
民商は、地元業者への発注を求め担当部局に直接要請することや、すべての市議会議員に働きかけることにしています。
登録業者の活用周知徹底を
札幌北部民商は2月2日、石狩市に交付金(交付額は約2億7000万円)の活用に関して、(1)雇用と地域経済への波及効果が大きな事業、地域住民が直接利用している施設の修繕・補修事業を重点的に進めること(2)小規模修繕工事登録業者への発注を優先すること―などを要望しました。
市は2月19日に文書で回答。「交付金の趣旨を踏まえ…『各種公共施設改修事業』をはじめ、『学校施設耐震化事業』『消防自動車整備事業』など」を行い、「地場産業を育成する視点から、各部局に小規模修繕登録業者を活用するよう周知徹底」するとしています。
市への要請で、登録業者・業種が少ないことを指摘されたことを受け、民商では登録説明会を行うことにしています。
極力地元業者に登別市長が表明
室蘭民商は2月4日、小笠原春一登別市長と懇談。交付金(約1億2000万円)の活用や、小規模修繕工事登録制度の創設を求めました。
市長は、交付金について市の独自予算も上乗せして子ども・お年寄りが利用する施設の整備を優先に行い、その仕事は極力地元業者に発注すると回答。登録制度についても理解を示し、業者登録や発注・納入などを管理する機関づくりをどうするかなど積極的な話し合いができ、具体的提案も含め懇談を続けることも確認しました。
現在、他団体とも連携し、制度創設に向け話し合っています。
【解説】地域活性化・生活対策臨時交付金
予算規模は都道府県分2500億円、市町村分は3500億円。対象は「財政力指数」が1・05未満の自治体で、東京都を除く46道府県と、1651市町村(全市町村数は1781)です。地域経済の落ち込みが激しく財政力が弱い自治体に厚く配分され、北海道には約206億円、道内市町村には約352億円が交付されます。交付対象事業は政府が指定し「安全・安心な学校づくり交付金」「水道施設整備補助」「まちづくり交付金」など民商で活用できる事業も含まれています。
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