中小業者は経営の主人公 「商いカフェ」で異業種交流=京都・上京民商
お互いの商売や新しい挑戦について話し合った「商いカフェ」
京都・上京民主商工会(民商)は3月18日、桃園西陣支部会員の喫茶JINで、「第1回商いカフェ」を開催しました。豊かな暮らしを支える中小業者の姿を語り合おうと企画したもので、30〜80代の民商会員や会外業者12人が参加。それぞれのビジネス、活動について交流しました。
作る楽しみを=陶芸工房
「作る楽しみ、使う喜びを感じてほしい」と話したのが陶芸家の圓口功治さん。「湖西焼 圓工房」を営んで2年になります。
もともと飲食店に勤め、おいしさを演出する器の世界に引かれ、清水焼の工房で13年修業し独立。その後、陶芸を通じ、メンタルケアや身体機能向上のサポートを行う陶芸療法士の認定を取得し、出張陶芸教室も行っています。
今、考えているのは、障害者の方と一緒になった陶芸づくり。「公的支援も受けて、一緒に学校給食の器などを作れば、地産地消、地域の中で循環する経済づくりの役割が果たせるのでは」と元気な話をしてくれました。
フィギュアの展示博物館のオープンをめざして準備を進めているのは楯秀樹さん。15年ほど前から集め始めたというフィギュアは、3000体を超えるまでに。「アニメやフィギュアを見て、子どものころに帰ってもらえれば」と笑顔で語ります。オープンに向け、オリジナルグッズや焼き菓子も考案中。参加者から「面白い。好きな人にはたまらない」などの声が出されました。
ネパール支援=化粧品輸入
ネパールからの化粧品輸入販売を考えている増田えい子さんの前職はケアマネジャー。イギリスやアフリカなどにも出かけ、民間療法を学び多くの人に伝えてきました。輸入を考えている化粧品は、ネパールの植物から作ったアプリコットオイル。「この事業はネパールの女性の収入源となります。この利益を使って、中東で水を作る機械の普及も展望したい」と大きな夢が披露されました。
着物レンタルの仕事をしている越智満子さんは、足先からヘアスタイルまでトータルサポート。着物のリサイクル業者とコラボしてビラをまいたところ、大学を卒業したばかりの女性がお客さんになるなど、新たな顧客を獲得しました。
顔見える活動=呉服業
「人と人の結びつき、アンテナを高く張った商売をしてきた」と話す呉服業の間野一三さんは、「西陣織は全国で通用するブランド。基本は顔の見える活動に徹している」と強調。同じ呉服業を営む松尾香代子さんは、昨年から仲人業にも挑戦。「会員を募って、出会いを支援している」と自己紹介。「あなたもどうですか」との営業トークに、参加者に笑顔が広がりました。
地域循環型の経済づくりでも中小業者こそ主人公であることを考えさせられた「商いカフェ」。陶器を使った帯留めなども話題になるなど、異業種での共同も楽しみな集まりとなりました。
全国商工新聞(2016年4月18日付) |