中小業者の強みを学ぶ経営力アップ交流会=兵庫
兵庫県商工団体連合会(県連)は4日、10回目となる「経営力アップ交流会」を開催しました。あいにくの大雨で参加者は20人だったものの、「仲間の経営に学びたい」と盛り上がりました。
経済情勢学び
兵庫県立大学の小寺倫明准教授が景況調査(RIIBレポート・318人回答)の特徴について、佐竹隆幸教授が中小業者をとりまく経済情勢の変化と安倍政権の動きについてそれぞれ報告しました。
兵庫県中小商工業研究所の近藤義晴所長の司会で、3人の民商会員がパネルディスカッション。
長田民商会員で、20年間にわたり軽運送業に取り組んでいるMさんは、民商や運送業の仲間の支えがあってこそ少々の無理にもお客の要望と信頼を大切に仕事に励んでいると報告。増税前の駆け込み需要にも触れながら、「4月に入り仕事は激減。ガソリンや高速料金の値上げで運送業者は大変ですわ」と語りました。
2人目の報告者は、須磨民商会員のSさん。
「カフェと自転車屋を経営したい」という大学時代からの夢をかなえ、今は4階建てのビルで1階は自転車店、2階はイタリアンのカフェを経営しています。
その特徴は「自社ブランドの強みと来店客を重視した経営」です。
お客さんの体型にあったオーダーメード自転車を製造できる工場も買い取り、他社にはないオリジナリティーを生かしています。また、ネット通販に頼るのではなく、「無料のメンテナンスやツーリングのお誘いなど、お客さんとのつながりを大切にしている」と、経営について生き生きと話してくれました。
3人目は、神戸西民商会員のHさん。倉庫業を営み、大手スーパーの衣料品などを保管、検品や商品仕分けなど、取引先の要望に応じた納品をしています。「大手にはできない細かい要望にも応える。場所や運送日によっては自らが運ぶことも。それが我が社の強み」と強調しました。
参加者からの「オーダーメード自転車は組み立てだけですか」「配送エリアはどこですか」などの質問に、それぞれが「パイプから溶接しています」「青森から鹿児島」と答えると、会場から驚きの声が上がりました。
隙間を工夫し
近藤所長は「大手にはできない隙間の仕事を工夫してやっている。中小業者だからこそできること」とまとめ、中小業者の強みが浮き彫りになった経営交流会となりました。
同交流会は、「経営力を伸ばしてこそ元気も出るし、民商の魅力も発揮できる」と5年前にスタートしたもの。RIIBレポートをもとに年2回の開催を続けています。
全国商工新聞(2014年6月30日付) |