商工交流会に300人超 商売と未来語り合う=埼玉
303人が参加し熱気にあふれた埼玉県連の商工交流会
埼玉県商工団体連合会(県連)は4月21日、12回目となる「埼玉県中小商工業交流・研究集会」を開催、県内から303人が参加し、会場のさいたま共済会館は熱気であふれかえりました。
埼玉県、さいたま市、財団法人埼玉県中小企業振興公社のほか、「朝日」、「毎日」、「読売」、埼玉新聞、放送局2社が後援しました。
午前中の全体発言では「商売を語る 未来を語る」と題して2人の民商会員が発言。
父親の死亡で22歳で接骨院を継いだ本庄民商の金澤利行会長=接骨院=は、試行錯誤ぶりを振り返るとともに、「仕事と子育ての両立の中で、自主性を大切にして民主的な子どもの自治づくりにとりくんだこと」などを紹介。すでに長男と次男がそれぞれ家業を継いで、独立した経緯を語り、「若い人はパワーがすごい。受け止めるのも大変」だと、うれしい苦労も報告しました。
結婚以来、40年間にわたり牧場経営をしてきた川越・東松山民商の婦人部役員の国分まり子さんは、01年のBSE(牛海綿状脳症)の風評被害で焼き肉店の閉店を余儀なくされたことを報告。さらに、11年には東日本大震災と東電福島原発事故で牛肉の価格が例年の半額を下回り、直売所のオープンが危ぶまれた苦労を振り返りました。
「いまでは息子夫婦に経営を任せた」と話す国分さんは、インターネットを活用し「国の補助を獲得して食育活動を展開している」と笑顔で話しました。
慶応義塾大学の金子勝教授が記念講演。
金子氏は、出演しているテレビの裏側を紹介しつつ「インパクトで見せる、印象付けるのがテレビの手法。情報を分析する能力を持つことが大切」、「アベノミクスは古い失敗した小泉構造改革路線の焼き直し」と指摘。さらに、原発事故後の福島の真実が報道されていないことを批判するとともに、中小業者の方向性について「集中メインフレーム型から分散型ネットワーク型に転換して、生き残りを見いだすこと」と結びました。
午後は五つの分科会を開催し、それぞれのテーマにそって集中した議論をしました。
全国商工新聞(2013年5月27日付)
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