自然エネ開発学ぶ見学ツアー=中小商工業研究所東海部会
小水力発電の水車
全商連付属・中小商工業研究所東海部会は4月15日、自然エネルギーで地域の仕事おこしを進めるNPO法人「地域づくり工房」(長野県)の小水力発電と「菜の花エコプロジェクト」の見学ツアーを開催しました。同部会には静岡、愛知、岐阜、三重県商工団体連合会(県連)が所属しています。太田義郎・研究所東海部会長はじめ民商会員や研究者など25人が参加しました。
小水力発電の川上ミニ発電所は同プロジェクトの川上博さんが発電機を開発・製作し、自宅前の水路に設置したものです。わずか45センチの段差を利用し、らせん水車で発電します。変電・蓄電設備も備え、川上さんのオール電化住宅の4割の電気を賄っています。参加者は「これなら地元の水路でもできるのでは」と、イメージを膨らませていました。工房の傘木宏夫代表は「河川は水利権があり、許可を取るのが大変。自然の条件のほかにも困難がある」と語っていました。
また「菜の花エコプロジェクト」は閉鎖されたスキー場で菜の花を栽培し、地域内循環をめざし、調味料用バージンオイルの生産、搾りかすの堆肥化や飼料化、廃食油のバイオ軽油化などを進めていました。
太田会長は「実際の仕事おこしにつなげるためにも、地域に帰って具体化をする必要がある」と今後の展開に期待を寄せました。
静岡県連の大石秀之さん=自動車修理販売=は「静岡には富士山や南アルプスから流れる豊かな水資源があり、再生可能エネルギーとして期待できる。中小業者が役割を発揮できる仕組みを考えたい」と感想を語っていました。
全国商工新聞(2012年5月21日付)
|