大商連創立60周年商工交流会 経営力発展へ確信・元気=大阪
多彩な企画に900人
「まかせてんか あきない・にぎわい・大阪経済」―今年、創立60周年を迎えた大阪商工団体連合会(大商連)は11月21日、市内の中之島中央公会堂をメーン会場に中小業者商工交流会(商工交流会)を開催しました。府内各地から900人超が参加。衣食住、ものづくり交流会、ファッションショーと企画も多彩。地域経済と雇用の守り手としての中小業者の役割・運動を語り合い、新しい未来を切り開く集会となりました。
三谷信雄大商連会長が主催者あいさつ。中小業者の営業と生活を守ってきた大商連60年の歴史を振り返るとともに「日本経済と地域経済、雇用を守れるのは中小業者。60周年をひとつの通過点として未来へ発展・飛躍しよう」と力強く呼びかけました。
吉田敬一駒澤大学教授が「持続可能な経済・社会と中小業者の発展をめざして」と題し記念講演。
衣食住や環境・福祉を大切にし幸せを求める「質的成熟型経済」への構造転換を提起し、公正な取引ルールづくり、中小企業振興基本条例の制定などを語りました。(1)地域密着型中小企業を育てる(2)地域生活文化を大切にした記憶を積み重ねるまちづくりなどが求められている-とし、経営努力を重ね「なくなったらお客さまが困る工場や店」をめざそうと呼びかけました。
「衣食住」「ものづくり」中小業者の役割に確信
商売の工夫を交流した「衣食住交流会」
八尾の町工場を見学するバスツアー参加者
ぬくもり こだわり 支えまっせ 庶民のくらし
衣食住交流会では8人が商売のこだわり、工夫などについて報告。会場からリアルタイムで質問や感想を報告者に伝えるために「ツイッター」を活用するなど新しい試みも。
泉南民主商工会(民商)会員(鮮魚小売)は「お客さんの顔と来店の日を考えて新鮮な魚を毎日仕入れること」に加え、勤め帰りの人を対象にした焼き魚、天ぷらなど魚をおいしく食べてもらう工夫で顧客を広げていると発言。流行をつかみ、顧客のオーダーに応えた商品作りを徹底している平野民商の会員(バッグ・鞄製造)は「お客の思いをどれだけ大切にするかが勝負」と語りました。
住まいでは創業40周年を迎えた堺東民商会員(工務店)が、100号に達した独自の新聞(季刊)発行や「施主の会」の活動などを報告。地域に根を張った活動で、不況の中でも確実に顧客をつかむ活動を紹介しました。
技術・技能を語り合った「ものづくりシンポ」
グローバル化に負けないものづくり つなごう みがこう きり拓こう
ものづくり交流会も、シンポジウム、ものづくり教室、工場見学と盛りだくさんの企画が。
シンポでは工具製作、旋盤、熔接、深穴加工の業者4人が「大企業にも負けない、中国にもまねのできない」技能と技術をプロジェクターで紹介。
府立高専の協力によるものづくり教室では、レスキューロボットの技術を応用して開発された「シロアリ防除ロボット」の実演や製図ソフトCAD、新エネルギー基礎講座などが大好評。
リフォームした着物をアピール
八尾市で展開されている循環型社会モデルの一つ「菜の花プロジェクト」や工業集積地を視察する「見学交流バスツアー」も大人気でした。
初のファッションショーには着物・洋服のリメーク、帽子、浴衣など4店舗が出店しました。民商婦人部・青年部員などがモデルとしてさっそうと登場。阪神タイガースの応援ユニフォーム刺しゅうにはひときわ大きな拍手が送られました。
60周年記念レセプション
商工交流会後、市内の太閤園で大商連結成60周年記念レセプションが開かれ、歴代の役員ら264人が参加。歴史と未来を語り合いました。
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