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  トップページ > 経営のページ > 異業種交流 > 全国商工新聞 第2949号 11月1日付
 
異業種交流
 

「売り上げが伸びてきた」若手業者が経営交流会=京都・下京


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京都・下京民商の若手経営者が月1回開く経営交流会。それぞれが、お互いの経験や意見。生きた情報を交流しています

 「集まりに参加して、売り上げがだんだんと上がってきた」「よっしゃ、やったろかって前向きな気持ちになれた」-。京都・下京民主商工会(民商)では、若手経営者たちが中心になって月1回のペースで経営交流会を開催。「内容が面白いから」と20回を超えた青年たちの自主的な集まりは、知恵やアドバイスを持ち寄って交流し、売り上げアップにもつながっています。

 9月26日に開かれた経営交流会。中心になっている伊藤泰浩副会長=紋章=や小林悟さん=食品卸=をはじめ、建築、社会保険労務士、グリーンコーディネーターなど多様な業種の会員ら約10人が参加しました。今回はこれまでの内容を振り返り、ざっくばらんに意見を交わしました。

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夜の仕込みを行う皆川さん。店内には料理の写真が並びます

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皆川さんのお薦めランチ

 皆川好一さん=飲食=は「500円、750円、950円のランチを用意して750円を薦めるとそれを選ぶ傾向がある」と学んだことを実践。「参考にしたらランチの売り上げが伸びた」と成果を語りました。また「店の雰囲気を明るくしたらいい」との意見を参考にし、自ら壁を塗り、店先や店内にメニューとともに料理の写真を掲示。親しみやすさを工夫したところ、口コミやリピーターのお客さんが増えたと話します。
 「話を聞くうちに、何をやっても無理というあきらめから、やったらできるという気持ちになれた」と話すのは鮮魚店を営む岸田智之さん。前向きに挑戦を開始し、サンマが水揚げされる漁港の地域にサンマの加工品を送るというアイデアを考案。「失敗すると思うでしょ? でもやってみたら現地の人に喜ばれて、通販の問い合わせもあります」と、今まで考えられなかった視点から物事が考えられるようになったと語りました。
 交流会の論議の途中、差し入れの菓子についていた広告にも話題が飛び火。「この商品は無添加が売りか」「店に行ったが売り手に元気がなかった。プロならもっと頑張らないと」など、全員で良い点や改善点を出し合う活発な討論に。Iさんから「人の心理を考えた店作りが大切」「広告には(1)店に来てもらう(2)問い合わせをもらう(3)買ってもらう-というメッセージの中から一つだけを選ぶことが大事。複数を盛り込むと言いたいことがぶれる」といった視点が提供されました。

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「元気もらって、英気を養って。前向きになるとやる気も起きる」と話す伊藤さん

「商売伸ばして家族を守りたい」の願いから
 交流会が始まったのは08年10月。伊藤さんが構想を考え、小林さんと立ち上げました。
 かつて経営危機に陥り命を絶とうと思うほどに悩み抜いたという伊藤さん。周りには商売に悩み自殺した友人もいました。一人ひとりの業者の後ろには家族や暮らしがあると思い知り、子どもなど残された人たちにしわ寄せがいくことに危機感を抱きました。

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これまで交流した話題例

 「みんなが今一番悩んでいるのは経営。売り上げを伸ばしたい、何より家族を守りたいという当然の願いをかなえたいだけ」と話します。目の前の同じような人を放っておけない。5年、10年先に困った状態にならないよう、手助けし、交流する場を設けたい。こうして交流会がスタートしました。
 最初は2人で地道に声をかけ参加を募りました。お互いの人生、商売、悩みをすべてさらけ出して語り合い、どうすれば商売がうまくいくか-。出し合ったアイデアをもとに売り上げを伸ばす仲間が増えることで、徐々に評判が広がり参加者が増えていきました。
 「最初は伊藤さんと酒を飲みつつ人生について語っていました。今は人数も増え、みんなで支え合いながらやっています」と小林さんは振り返ります。伊藤さんは「人は追い詰められると視野が狭くなる。それを助けるのが仲間の役目」と話し、最後まで面倒を見るのが民商だと語ります。また「同じ時代に集った仲間とともに、たたかって要求をかちとれる、1人の犠牲者も出さない強い組織を作りたい」とも。「僕たちは集まって知恵を出し合うという、当たり前のことをやっているだけです」。決してあきらめることなく、今をどう乗り切るかを考え続けています。

   
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