秘密保護法は廃案に
「何としても廃案に」と1万人が参加したSTOP!「秘密保護法」大集会
東京日比谷野音で1万人集会
「『何が秘密? それは秘密』 それはイヤだ!」―。11月21日、東京・日比谷野外音楽堂で開かれた「STOP! 『秘密保護法』大集会」には、会場あふれる1万人の参加者が集まり、「法案の採決強行を許すな」と怒りの声を上げました。作家、ジャーナリスト、大学教授、弁護士、政党代表らが次々にマイクを握り「民主主義を根底から覆す秘密保護法は修正ではなく廃案に」と呼びかけました。集会後、参加者は2コースに分かれてデモ行進を行いました。
危険な悪法許せない・メディア関係者が決起
11月20日、東京都内で開かれた秘密保護法案に反対する「メディア関係者の総決起集会」を呼びかけたジャーナリストの鳥越俊太郎さんに話を聞きました。
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秘密保護法案に反対する「メディア関係者の総決起集会」が終了した後、インタビューに応じる鳥越さん
この集会を開いたのは、法案の危険性を国民に知らせ、国民が反対しているということを政治の世界に届けるためです。
巨大与党・安倍政権といえども世論の意向やマスコミの動向を気にしている。11月21日に通すと言っていたが、できなくなった。それは国民の反対が多いということが関係している。
私は戦前の生まれで、戦争というものが実感として分かる。日本が焼け野原になり、原爆が落とされたことを知っている。だから、この法案がとんでもない悪法だということを肌で感じる。
戦争を知らない政治家たちが物事を決めて、とんでもないところへ私たちを連れていくというのはとても許せない。
秘密保護法案に反対するメディア関係者の総決起集会が11月20日、都内で開かれました。参加者は130人を超え、集会を呼びかけた田原総一朗さんをはじめテレビキャスターや菅原文太さん、澤地久枝さんなど著名人も多数駆け付け、法案への批判の広がりを示しました。集会では、法案の危険な中身を告発し、与党とみんなや維新など一部野党の修正協議を批判する声が上がりました。
集会で採択した森雅子特命担当相宛ての「特定秘密保護法案の廃案を求める要請文」を内閣府に提出しました。
情報後進国だ 作家・澤地久枝さん
「本当にばかばかしい法案。論ずるに足りないほどひどい内容だ。日本は沖縄返還時の密約問題など情報公開の後進国であることを自覚するべき」
考えられない 俳優・菅原文太さん
「こういう法律が出てくること自体が考えられなかった。時代が(右へと)変遷する中、この法案が通れば(民主国家に)とどめを刺す悪法だ」
TPP原発も 経済評論家・荻原博子さん
「この法案ではTPPや原発など、国民に大きく関わる問題もある。特に原発の情報は国民が知らなければ自らを守る手も打てない。今でさえ、情報がきちんと開示されていない。法案が成立すれば、『由らしむべし知らしむべからず』の政治が横行する」
影響を伝える ジャーナリスト・江川紹子さん
「警備・公安情報も特定秘密の対象になっていることも大きな問題。東京五輪を大義名分に違法な行為も自由にやられかねない。一般の人も監視しないとテロは防げない。ネットで情報を得ようとした人にも広く網がかけられ、捜査対象になっていく。もっと一般の人々に影響を及ぼすことを伝えていく必要がある」
子どものため エッセイスト、フリーアナウンサー・見城美枝子さん
「過去の記録、現在の記録、未来の予感、この三つがそろって知る権利がある。それを保障するのが文化国家の在り方だ。自分の子どもたちの世代のためにも何としても立ち上がらなければいけない」
全国商工新聞(2013年12月2日付) |