TPP交渉撤退せよ 各地で行動
地域経済の基盤失う TPP交渉撤退求め集会=北海道
北海道・帯広民主商工会(民商)も加盟する「TPP(環太平洋連携協定)問題を考える十勝管内関係団体連絡会議」は7月24日、会合を開き、「TPP協定交渉参加に抗議する緊急決議」を採択しました。地域を挙げて政府に対し、交渉参加の撤退を強く求めました。
会議には行政、農業、経済、消費者など30団体の代表者らが出席しました。
同連絡会議代表を務める十勝市町村会の高橋正夫会長は「われわれはこれまで以上に関係団体と連携をとって啓発活動を強化し、交渉参加撤退を求めていく」と訴えました。
記者会見では、帯広商工会議所の高橋勝坦会頭や帯広市の米沢則寿市長らが「十勝100年の地域経済基盤が失われる」「現状では政府が言う『守るべきもの』の内容は何一つ反映されていない」「十勝の人々は誰も交渉参加を頼んでいない」などと述べ、あくまで交渉参加撤退を求める運動の推進を強調しました。
また同会見で帯広民商の志子田英明会長は「市には中小企業振興基本条例があり、地域経済を守る努力をすすめているが、交渉参加においてこれらの自治体施策がISD条項(投資家対国家の紛争解決)で駄目になる。中小業者団体も全力で撤退を求めていく」と発言しました。
当日は、帯広市内の大型小売店前で関係団体が協力し、TPP問題の危険性を紹介するチラシとティッシュを配りながら宣伝しました。また、前日から十勝管内のうち17市町村で抗議集会や啓発行動が展開されました。
STOP! TPP ISD条項に警鐘 各界代表が訴え
マレーシアで開かれたTPP(環太平洋連携協定)第18回交渉に日本が参加した7月23日、交渉撤退・離脱を求める行動や集会などが各地で繰り広げられました。東京都内では「TPP交渉参加大抗議」がJR新宿駅西口で開かれました。全国商工団体連合会(全商連)も加盟する国民の食料と健康を守る運動全国連絡会(食健連)と「STOP
TPP!! 官邸前アクション実行委員会」が共催したものです。
各団体の代表など9人が登壇し、国民の命や暮らし、医療や地域、国の主権を守れとリレートークで訴えました。主婦連の山根香織会長は「関税の撤廃や残留農薬食品、遺伝子組み換え食品などが規制緩和され、国民の健康や暮らしが守れない」と強調しました。
保団連の住江憲勇会長は「アメリカのたくらみの一つは、国民皆保険の制度を破壊し、混合診療や自由診療を増やして医療分野で金もうけをすること」と訴えました。
TPPに反対する弁護士ネットの宇都宮健児弁護士は「ISD条項で企業が国家を訴え、日本の主権や国民主権、立法権などを損ないかねない」と警鐘を鳴らしました。
国公労連の宮垣忠委員長は「自治体の官公需にも外国企業が参入すれば地域経済に影響が及び、公契約条例も有名無実化する」と告発しました。
大学教員の会の醍醐聰東大名誉教授は国民ネットワークの構築と結集を呼びかけました。
全国商工新聞(2013年8月19日付)
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