戦争法案許さない 観光産業は「平和でこそ」=京都・個タク互助協同組合
"ささやかな抵抗"をポスターとマグネットで示す岸理事長(右)と洲見副理事長
「観光産業は平和であってこそ。戦争法案は必ず廃案に」―。観光客と戦争法を語り合い、「アベ政治を許さない」のポスターやマグネットを張るなど、京都市内の個人タクシー業者らの「ささやかな抵抗」が静かな広がりを見せています。
車にポスターも
京都・個人タクシー互助協同組合の組合員が始めた「戦争法案NO! We Love Peace! 九条で世界をつなぐ!」のステッカー張り出し。「今、戦争法反対をタクシー業者も意思表明しないと」と動き始めました。
「タクシー業界には『政治・スポーツ・宗教の話題に触れない』という『三禁』があります」と語るのは副理事長を務める洲見雅義さん。それでもお客さんの反応を見ながら戦争法の話をするよう心掛けています。
「『きょうは天気が悪いけど、政治も悪いですね』と話題を振ってみるんです。先日も九州から来た医大生たちに『戦場に派兵されるかもしれないし、助けたい命を助けられなくなる』と話すと『この法案は絶対に嫌だ』と即答しました」と反応を語ります。
「かわいい孫のためにも」との思いで、A3判「アベ政治を許さない」のポスターを後部ガラスに張り出すのは理事長の岸光之さん。「中華圏の観光客はここ数年で数倍に増えており、もし戦争になったらダメージは相当なもの」と話します。
京都市を訪れた観光客は、人数でも消費額でも2014年に過去最高の5645万人に達し、「台湾や中国からの宿泊客は前年比で200%を超えている」と京都観光総合調査(京都市)が指摘するほど。岸さんは「ささやかな抵抗ですが、観光産業は平和でこそ商売繁盛」と確信してハンドルを握ります。
ドライバーたちを市民も応援。マグネットステッカーを張った組合員が四条通りで若者パレードの横を走った時、「タクシードライバーさんも一緒に頑張りましょう」とエールを送られました。
組合では、「ちょっとした小さな意思表明の行動が燎原の火のように全国津々浦々に広がり、アベ政治を許さない決定的な力になる」と思って取り組んでいます。
全国商工新聞(2015年8月31日付) |