▽憲法改定に動き出す
法務大臣の諮問機関「法制審議会」は10月28日、民法の成人年齢規定を現在の20歳から18歳に引き下げるのが適当とする答申を千葉法相に提出。成人年齢に関係した法令が多数あることなどから、法相は来年1月に始まる通常国会での民法改定案提出は見送る考えを示しました。一方、鳩山首相は「公職選挙法の選挙権だけを先に18歳に引き下げるのが望ましい」と発言しています。
来年5月施行の「憲法改正国民投票法」(改憲手続法)が国民投票権の年齢を原則18歳以上とし、付則で施行前に民法や公選法などの成人年齢規定の見直しなどを求めていることが答申の背景にあります。憲法改定への動きが再び出てきたと見れます。
しかし、改憲手続き法は、年齢規定以外に「最低投票率制度の検討」「罰則適用が意見表明、運動等の委縮にならない留意」など重要な事柄が付帯決議につくなど、審議不十分なまま自公与党(当時)が強行可決したもの。民主党もこれを理由に、国会の憲法審査会の発動を認めてこなかった経緯があります。今必要なのは、成人年齢問題よりも、同法の見直しです。
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