「新基地ノー」の民意示す沖縄いっせい地方選=沖縄・辺野古レポート
沖縄県知事選挙(10月30日告示、11月16日投開票)に大きな影響を与える沖縄いっせい地方選挙は9月7日に投開票され、名護市では辺野古への新基地建設に反対する稲嶺進市長を支える与党議員14人が当選し、過半数を獲得。全県的にも新基地ノーの民意を示しました。背景と民商・沖縄県連のたたかいを知念三四志事務局長がリポートします。
稲嶺進名護市長(左端)と握手を交わす中里克次市議(中)
次は知事選挙
沖縄では安倍政権の暴走政治と県民を裏切った仲井真弘多知事への怒りが広がり、「次は知事選挙、必ず勝とう」があいさつ代わりになっています。
琉球新報社が選挙後の9月9日付で報道した当選議員確定結果は県民の民意を端的に示しました。告示前に「新基地建設反対」と明確に回答した新議員が382人中208人で54%に上り、移設容認議員は12%の46人にとどまっています(残り34%は「分からない」「無回答」など)。
政党で見ると、普天間基地の「県内たらいまわし」を決めた18年前の日米合意に一貫して反対してきた日本共産党が、名護市、南風原町でトップ当選。オスプレイ着陸帯建設阻止でたたかう東村で初議席獲得、普天間基地を抱える宜野湾市で上位当選を勝ち取り、県内第2の都市・沖縄市で議席を増やし、改選前から3議席を前進させて有権者の期待を集めました。
名護市議選挙では、「辺野古の海にも陸にも基地はつくらせない」と県民の先頭に立って奮闘している稲嶺進名護市長を支える与党が過半数の14議席を確保。1月の市長選挙に続き「新基地建設反対」の名護市民の意思が再び示されました。
開票日のNHK出口調査では、名護選挙区の政党支持率で自民党に次いで日本共産党が2番目に高い支持率でした。
意見書可決も
沖縄県連は「辺野古新基地建設反対の運動を、圧倒的な県民の世論にしていくことが、議員選挙と知事選挙勝利に直結する」と役員会で議論。各民商から連日、辺野古のボーリング工事強行に対する抗議行動に参加してきました。安倍政権の県民世論を無視し、人権弾圧を含む強引な工事強行に県民の怒りは頂点に達しました。約3600人が駆けつけた集会「みんなで行こう、辺野古へ、工事強行に抗議する県民集会」(8月23日)の成功をはじめ、那覇市議会は8月22日に「新基地断念と工事中止を求める」意見書を可決。8月24日には琉球新報社などが実施した世論調査が発表され、新基地建設に反対が80%を超え、安倍政権への不支持率も81%に達しました。また9月3日には県民世論を反映し、県議会で「新基地建設計画の即時中止を求める意見書」が賛成多数で可決されました。
沖縄県連も加盟する沖縄統一連は「辺野古・埋立て強行ストップ!」「知事と自民党県連にノーの審判を」とするチラシを全県に30万枚配布し、新基地建設反対と議員選挙勝利のための世論づくりに貢献しました。
名護市議選でトップ当選した仲里克次さんは、名護民商で10年間事務局員として中小業者の要求実現に全力で奮闘してきました。
名護民商は全国支援も受け、基地反対を貫く仲里さんをトップ当選させる原動力として大奮闘しました。
知事選挙へ出馬を表明した翁長雄志・那覇市長は「米軍基地は沖縄経済発展の最大の阻害要因」「私たちは心一つに『オール沖縄』で団結しなければ、日米両政府には勝てない」と県民の団結と知事選挙での勝利を訴えました。知事選挙での勝利は、辺野古新基地建設に反対する多くの県民・国民を励まし、工事を断念に追い込み、暴走を続ける安倍政権に大打撃を与える大事なたたかいです。
沖縄県連は6月の定期総会で「知事選挙勝利を今年の最重要課題」と位置づけました。そのたたかいがいよいよ目前です。勝利に向けた体制をつくり、全国支援も受けながら、必ず勝利したいと決意しています。
基地建設阻止できる知事選勝利へ決意=全国革新懇連帯の夕べ
「新基地建設反対を貫く県知事を全国の力で誕生させよう」―全国商工団体連合会(全商連)も参加する全国革新懇は8日、東京革新懇と共催で「沖縄と連帯する夕べ」を開き、600人超が参加しました。沖縄県知事選挙(10月30日告示、11月16日投票)で県民の総意を示す「建白書」の立場に立ち、名護市辺野古への新基地建設反対を貫く新知事を誕生させようとの決意を交流する熱気あふれる集いとなりました。
参加者に大きな確信を広げたのは沖縄から参加した二人の発言です。「法律の専門家として、新しい知事が辺野古沖埋め立て『承認』を取り消し・撤回することは法的に可能であると確信している」と発言したのは、沖縄革新懇代表世話人で弁護士の仲山忠克さん。「新基地建設に対して8割を超える県民が反対していることは、行政行為の撤回事由である『公益上の理由』に該当する。それだけに知事選挙では圧倒的な勝利が必要」と県知事選の意義を明らかにすると、参加者は満場の拍手で応え、県知事選勝利への深い確信を広げました。
元県議会議長で元自民党県連幹事長も務めた仲里利信さんは、沖縄戦や本土復帰のたたかいの体験を踏まえ「『建白書』こそウチナーの総意。なんとしても新基地建設反対の知事を誕生させる」と力強く訴えました。
翻訳家の池田香代子さんら各界からの連帯の決意表明に対して、最後に仲里さんから「みなさんの熱い思いに触れ、涙が止まらない。ぜひ全国からの支援を広げ、一緒に勝利しましょう」と再度の訴えがあり、参加者はいっそう大きな拍手で応えました。
全国商工新聞(2014年9月22日付) |