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  トップページ > 業種のページ > IT・サービス > 全国商工新聞 第3254号3月6日付
 
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JASRAC 音楽教室にも著作権料 各界から反対の声

「文化の発展損なう」
 「音楽教室にも著作権料」―日本音楽著作権協会(JASRAC)は、音楽教室などからも著作権料を徴収する方針を固め、ヤマハや河合楽器製作所など音楽教室を主催する業界大手に3月中の「回答」を求めていることが明らかになりました。
 JASRACは、生徒も不特定の「公衆」に当たるとして、歌謡曲や映画音楽などJASRACが管理する楽曲を使っている講座も多いことから、音楽教師が受講生の前で行う演奏にも演奏権が及ぶと主張。年間受講料収入の2・5%〜5%程度を著作権料とする案などを提示しています。
 ヤマハ音楽振興会や河合楽器製作所など音楽教育事業を営む七つの企業・団体は昨年、「音楽教育を守る会」を結成。2月2日に「演奏権が及ぶのは公衆に聞かせるための演奏であり、音楽教室での練習や指導のための演奏は該当しない。文化の発展に寄与するという著作権法の目的にも合致しない」との声明を発表しました。
 ヤマハ音楽振興会理事の功刀渉さんは「授業として行う講師の演奏は、手本を示したり、どのように弾くか指導するもので、聞かせることを目的としているのではありません。著作権法22条の演奏には該当しない」とJASRACに徴収方針の撤回を求めていく考えを示しました。
 著作権法は、公衆に聞かせることを目的に楽曲を演奏したり歌ったりする「演奏権」を、作曲家や作詞家が専有すると定めています。この規定を根拠に、JASRACは、コンサートや演奏会のほか、「聞かせる目的」からすると異論も多いカラオケでの歌唱や、BGMの使用についても徴収してきました。
 音楽教室は大手のヤマハ系列が約3300カ所で生徒数約39万人、河合楽器製作所は直営約4400カ所で生徒数約10万人。JASRACの推定では、この大手2グループに他の事業者も加え、合計約1万1000カ所の教室があり、徴収額は年間10億〜20億円に上ると推計されます。
 功刀さんは「音楽教室の運営にあたってはテキスト、レッスン用CDの作成、演奏会での演奏などですでに十分な使用料を払っています。レッスンで楽曲が使用されれば、その楽曲が普及するきっかけになるので、権利者にも利益となります。このような徴収は、法の目的である文化の発展を阻害することは明らか。撤回していただきたい」と力を込めます。
 全国商工団体連合会(全商連)の運動政策委員長を務める遠藤強常任理事は「著作権料の徴収対象を強引に広げるJASRACのやり方は目に余る。著作権料が徴収されれば、まちの音楽教室の経営が圧迫され、文化の発展を損なう」と指摘。「個人運営の教室は当面除外する方針と言うが信用できない。教育の場からも徴収するという考えは権利者からも支持されないのではないか。JASRACの横暴を是正するためともに声を上げていきたい」と述べました。

全国商工新聞(2017年3月6日付)

   
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