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タクシー規制強化に転換=参議院
タクシーを規制する「特定地域における一般乗用旅客自動車運送事業の適正化及び活性化に関する特別措置法」(タクシー規制強化法)が6月19日、参院本会議で全会一致で採択されました。運賃の規制強化や供給過剰地域での新規参入や増車抑制などが柱。日本共産党をはじめ野党4党が政府案を修正し、成立させたものです。今回の規制強化は「規制緩和によってサービスが多様になり、利用者も増える」と描いていた政府の見解が間違いだったことを示すもので、個人タクシーの運転手などから歓迎の声が上がっています。
自公、民が推進
政府は00年、タクシーの規制緩和を進めるため道路交通法を改悪(02年2月1日施行)。自民、公明、民主が賛成しました。新規参入や増車の免許制・許可制の規制を取り払い、原則自由にしたため、タクシー台数は増え続け、運賃の値下げ競争が激しくなり、1台当たりの売り上げは激減、運転手の賃金は極端に低下しました。運転手は低賃金を補うために長時間働き、タクシーの安全が脅かされるなど深刻な問題が生まれ、規制強化を求める声が強まりました。
共産は規制強化
国会では、日本共産党のこくた恵二議員が国土交通委員会などでタクシー運転手の実態を取り上げ、規制強化を要望。同党の国会議員団は08年9月、タクシー行政を求める「提案と要求」を国土交通省に申し入れていました。
規制緩和の誤りは明白同一地域・同一運賃を 個人タクシー互助協同組合理事長 久世裕さん
規制強化の道筋がようやくできホッとしています。これ以上、タクシー台数が増えては仕事になりません。
1日頑張っても5000円の売り上げに達しない日もあり、妻は副業を勧めました。これまで「いつか良くなる」と自分自身に言い聞かせながら頑張ってきました。
規制強化は貴重な成果ですが、問題はそれだけではありません。「景気が良くならな、乗る人も増えんし、売り上げ増加にならへん」と同業者は思っていますし、運賃の解決も待ったなしの問題です。運賃を自由にしたら、市場原理が働いて良質なタクシーができると始めた規制緩和ですが、実際のところは運転者に大幅な収入減少をもたらし、無理な運転で事故の増加をもたらしただけです。
「同一地域・同一運賃を実現してほしい」とタクシー運転手は切実に願っています。
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