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  トップページ > 業種のページ > IT・サービス > 全国商工新聞 第2886号 7月6日付
 
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見切り販売制限に公取が「排除命令」


 加盟店に対して賞味期限が迫った弁当やおにぎりなどを値引きする「見切り販売」を制限したのは独占禁止法の優越的地位の乱用に当たる―。公正取引委員会は6月22日、コンビニ最大手のセブン‐イレブン・ジャパンに排除命令を出しました。同社は翌日、廃棄ロス原価の15%を負担することを決定し7月から実施すると発表。排除命令は、コンビニ業界の改善に向けて第一歩を踏み出すものです。

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不公平な取引の改善などを求め、加盟店のオーナーが集まった国会内の集会(6月2日)
 全国商工団体連合会(全商連)は全国FC加盟店協会とともに、「見切り販売」の制限や廃棄商品のロスチャージなどの問題を取り上げてきました。
 命令はセブン‐イレブンに対して「見切り販売」の制限をやめ、そのことを取締役会で決議すること、同時に加盟店や自社の従業員に徹底し、「見切り販売」を可能にするためのガイドラインの作成などを求めています。
 本部と加盟店との契約では「商品の販売価格は加盟店自らの判断で決定すること」とされていますが、本部は弁当やおにぎりなどのデイリー商品に対して加盟店の「見切り販売」を制限していました。
 加盟店は賞味期限が過ぎたデイリー商品を廃棄処分にし、廃棄商品の原価相当額の全額を負担していました。公正取引委員会が07年3月1日〜08年2月29日までの1年間、無作為に抽出した1100店の調査では、廃棄商品の原価相当額の平均が約530万円に上ることが明らかになりました。
 セブン‐イレブンの年間売上額は2兆5700億円、店舗数は1万2000店。加盟店の圧倒的多数は中小の小売業者で、本部からの要請に従わなければならない弱い立場に立たされています。加盟店が原価相当額の負担を軽くするために「見切り販売」をしようとすれば、本部は取引上の優越的地位を利用して、契約解除を示唆するなどして加盟店の「見切り販売」を強引にやめさせてきました。
 排除命令では、本部が「見切り販売」を制限することは、「加盟店が自らの経営判断でデイリー商品の原価相当額の負担を軽減させる機会を失わせている」と指摘しています。
 他のコンビニでも同様の違反行為が行われおり、業界全体の問題になるのは必至。加盟店オーナーからは損害賠償を求める声が上がっています。

関係団体がコメント

全国FC加盟店協会(竹中一雄会長)
 今回の命令は当然のことであり、むしろ遅すぎたと考えます。業界トップ企業が独占禁止法違反の行為を行ったことは重大です。
 私たちは、セブン‐イレブン本部に対して、今回の命令を謙虚に受け入れ、加盟店に対する対応を改善・改革されることを求めます。そのポイントは、第一に、値引き販売制限による廃棄によって利益が失われたことへの損害補償です。第二に、今回のような事態の再発防止への新たな対策です。
 私たちは、セブン‐イレブンに限らず、すべてのフランチャイズ本部が、「統一性」の名の下に個々の加盟店を「名ばかりオーナー」のように「支配する」運営は必ず破たんするという認識が必要だと考えます。同時に、私たちは「適正仕入れで、値引き販売をしなくてもよい状態」をめざすなど、「あるべきコンビニ」の実現へ、本部・加盟店の協働の事業の前進を追求します。

コンビニ・フランチャイズ問題弁護士連絡会(会長・近藤忠孝弁護士)
 除措置命令は、セブン‐イレブンが「独占禁止法違反の違法行為を組織的・継続的に行ってきた」ことを意味し、「加盟店オーナーの権利を著しく侵害してきた」と厳しく批判しています。
 (1)加盟店オーナーに謝罪し、こうした行為を二度と行わないことを誓い、防止するための社内体制を確立すること(2)加盟店オーナーが被ってきた損失について速やかに賠償すること‐を要請。他のコンビニ本部に対しても「見切り販売を不当に制限するような指導」を直ちに中止し、そのための社内体制を確立するよう求めています。
   
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