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19年間、屈せず価格決定権求めたFCオーナー
新潟・上越民商副会長 岡村徳吉さん
新潟県上越市在住で、セブン‐イレブンのオーナーとなって20年になる岡村徳吉さんは19年前から値引き販売を実施してきました。
値引きを始めた直接の理由は売り上げ不振でした。100万円を売り上げる他店に比べ、岡村さんの店の売り上げは30万円余。「値引きしてでも商品を売らなければ経営が成り立たなかった」と振り返ります。
契約書と法律を徹底して勉強
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見切り販売を制限したとして公正取引委員会の立ち入り検査を受けたセブン‐イレブン・ジャパンの本部 |
当然、「値引きは認めていない」と本部側からクレームが入りました。しかし「なぜ店のオーナーである自分が販売価格を決められないのか」と、岡村さんは「あきらめるのではなく契約書と法律の徹底した勉強」をしました。販売価格決定権はオーナーにある、その疑問の正しさを裏付けたのはセブン本部と交わした契約書でした。
「乙(オーナー)は…甲(本部)の開示した標準小売価格で販売することを強制されるものではない」(29条)、「乙は商品の販売小売価格を自らの判断で決定し…」(30条)
それでも本部は“圧力”をかけてきました。「すべては本部が決めること」「(値下げ販売は)セブン‐イレブンのイメージを損なう」。反論できなくなった本部側の“へ理屈”でした。
「事あるたびに本部とやりあった」という岡村さん。カップラーメンやソフトドリンクなどの仕入先を本部の指定業者から変えたこともありました(その後戻す)。酒の仕入れ先は、現在、本部の指定業者ではなく、近所の酒問屋です。
「値引き販売」のフロンティアだった岡村さんですが、「現時点では店の利益にならないので賛成できない」と考えています。「賛成か反対ではなく、本来、オーナーが決める販売価格を本部が一律に押し付けていることに問題の核心がある」と強調します。
めざすのは本部との共存共栄
めざすのは「本部、オーナーとの共存共栄」。共に発展していく対等な関係です。「今はオーナーだけが苦しみ、本部が一人勝ちする不公平、いびつな関係。だから変えなければならない」と言います。
「ひとりで立ち向かうのではなく、民主商工会(民商)や全国FC加盟店協会などのバックボーンがあったことが大きかった」と話す岡村さん。今後の課題は、加盟店の権利を保護するFC法の制定はじめコンビニオーナーが置かれている実態を多くの人たちに知ってもらうこと。
「本部に意見をいえば、『報復される』といって恐れるオーナーも多い。しかしそれでは変わらない。手を取り合って立ち上がること、そして経営努力や工夫を重ねることがオーナーとして求められています」
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