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行政書士政治連盟問題
大阪高裁が慰謝料の支払い命じる
和歌山県田辺市の行政書士が、政治団体「日本行政書士政治連盟和歌山県支部」(県政連)への加入を強要され精神的苦痛を受けたとして、県政連と県行政書士会に損害賠償などを求めた控訴審判決で、大阪高裁(若林諒裁判長)は11月12日、「書士会と組織、会務の運営の区別がされていない点において違法」と判断、両団体に慰謝料5万円を支払うよう命じました。一審判決を覆す逆転勝訴、両団体は控訴せず27日に判決は確定しました。
訴えていたのは和歌山・田辺民主商工会(民商)会員で行政書士のSさん。
判決は、任意加入の県政連と強制加入の書士会との関係について(1)支部長=会長、副支部長=副会長など役員が重複する(2)書士会事務員による事務処理がされている(3)書士会の消耗品などが任意に使用されている―など両者の一体性を指摘。組織・運営の区別がされていないと断じました。
また、県政連に加入しない態度を表したSさんに対する会費請求や執拗な入会勧誘についても「強い圧迫感を与え精神的苦痛を生じさせた」「(役員らが)書士会と県政連との明確な区別の意識なしに当該行為に至った点で過失がある」としました。
Sさんは「両団体の実態を直視した判決だ。政治団体との混同は和歌山だけでない。書士会が政治連盟に金を渡す行為だけでなく、請求すべき経費を請求しないのも違法だと言い切ったのは素晴らしい。相手が弁護士を立て、自分は立てない訴訟でこれほどの結果を出せたのもうれしい」と話しています。
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