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  トップページ > 業種のページ > 製造・小売 > 全国商工新聞 第3175号7月6日付
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業種 製造・小売
 

製品開発に挑み続け 世界ラベルコンテスト最優秀賞受賞=宮城・仙台

 宮城県利府町に本社・工場を構える三協タックラベル株式会社。シール・ラベル印刷の高い技術が評価され、「第26回世界ラベルコンテスト」で見事に最優秀賞を受賞しました。代表取締役を務めるのは池原賢吾さん。2年前、仙台民主商工会(民商)会員で同社会長の父・賢太郎さんからバトンを引き継ぎました。「技術を磨いて業界や顧客が求める製品開発に挑戦し続け、ものづくりを通して社会に貢献したい」と次代を見据えています。

印刷技術磨き雇用守る

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表彰の盾を手にした賢吾さん(中央)と賢太郎さん、亮子さん

 賢吾さんは5月28日、都内で開かれた授賞式で表彰の盾を受け取りました。会社としては6度目ですが、賢吾さんが代表取締役になって初の受賞。「国内のコンテストで受賞を逃したので世界のコンテストで受賞できると思わなかった。世界的に技術が評価され、素直にうれしい」と照れ笑いを見せます。

高い評価が

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世界ラベルコンテストで最優秀賞を受賞した作品

 受賞したのは戦国武将・伊達政宗のシルエットをモチーフにしてデザインした「伊達BEER」(仮想のビール)のシール・ラベル。ビールの泡を思わせる水玉が星のように夜空に光り、馬に乗った伊達政宗の姿が月の明かりに照らされ浮かび上がっています。
 評価されたのはグラデーションの印刷技術。樹脂版を使う凸版印刷では網版の出力が難しいといわれていますが、賢吾さんは培ってきた製版技術のノウハウを駆使して製版データを加工し、グラデーション印刷を可能にしました。国内コンテストの審査委員長が「この作品はクオリティーが高いデザインなので、世界コンテストに出展させてほしい」と高く評価したものです。
 創業50年。賢太郎さんと妻・亮子さんと親族の3人でスタートした個人商店は70人の従業員を雇用する会社に成長。仙台市内にオンデマンドなどの事業部を配置し、東京にも出張所を置いて全国から受注しています。賢吾さんは「強みは製版技術とラベルの型を抜く刃型の製作技術があること。車輪のようなもので、どちらが欠けても高品質の製品は作れない」と胸を張ります。

信頼築いて

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大量のシール・ラベルを印刷する大型輪転機

 創業当時から一貫して技術開発に力を入れ、シール・ラベルを自社で完成させることをめざしてきました。建物や営業に費用をかけずに製版から印刷、型抜き、検品など必要な機械を購入。あらゆる注文に対応できるようにしました。賢太郎さんの大病をきっかけに一緒に仕事をするようになった賢吾さんは、ベテランの従業員に技術を学びながら研究を重ねました。
 工場には大型輪転機だけでも14台が設置され、
います。「工場や外壁に少しはお金をかけたいけどね。この応接椅子、ふぞろいでしょう。もらってきたの」と亮子さんは笑います。

親から継承
 技術開発とともに賢吾さんが継承したのは、経営が厳しくても従業員を正社員として雇用すること。消費税負担や社会保険料負担が経営を圧迫していますが、それでも賢吾さんは正社員雇用を貫いています。「従業員の生活がかかっているのでプレッシャーで押しつぶされそうになる。だけど従業員は生活が安定しなければ力を発揮できない。正社員雇用は当たり前」と言い切ります。
 賢太郎さんと亮子さんは民商や婦人部活動をしながら、いくつもの困難を乗り越えて経営を発展させてきました。その背中を見てきた賢吾さん。「平和でなければ商売が続けられないし、中小業者が元気にならなければ地域は活性化しない。家族や従業員と力を合わせ、ものづくりに励みたい」と二人の思いをしっかりと受け継いでいます。

全国商工新聞(2015年7月6日付)
 
   

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