世界にひとつ「マイ自転車」=兵庫・須磨
「自転車を通じて地域を活性化させたい」と話す末瀬さん
「今年はツーリング愛好者をメーンターゲットに、総合的な24時間サービス体制をつくり、お客さんの必要性に応えられるよう、きめ細かなサービスを行っていきたいですね」
神戸市須磨区で自転車販売とダイニングカフェの店「RE:PRODUCTS PROJECT」を経営する末瀬嘉廣さんの目標です。
自転車が好きで、大学時代から自転車店とカフェを経営するスタイルを考えていた末瀬さん。自転車店で数年働いた後、26歳で独立。念願のカフェと自転車店を開業しました。開業時はひとつのフロアーで両立していましたが、2012年に4階建てのビルを借り、1階は自転車販売、2階でダイニングカフェ、3階を事務所、4階をオープンスペースとして開放しています。カフェといってもイタリアンの本格コース料理を提供し、料理を目当てに来てくれるお客さんと同時に、自転車好きな仲間が集まる場となっています。
同店の最大の魅力は、一人ひとりの体格や趣向にあったオーダーメード自転車。神戸市西区の自社工場では、単なる組み立てではなく、1台1台丁寧に溶接をしながら、“マイ自転車”を作っています。また、外国からの輸入自転車や大手メーカー品など、品ぞろえも豊富です。
値段は50万円にもなるものがありますが、最近は、消費する安価な自転車より、品質の良い自転車を買う傾向があり、お客さんも20代〜50代と幅広い年齢にわたっています。健康志向もあり、お客さんの口コミで顧客圏は神戸市、県内にとどまらず、四国や大阪、東京に広がっています。
自転車を購入してからのアフターサービスにも余念がありません。ツーリングのお誘いやメンテナンスなど、「買っていただいた自転車を楽しんでいただきたい」と、呼び掛けを強めています。
「地域がにぎわってこそ、私たちの商売も元気になる」と、民商や青年部の経営力アップ交流会にも積極的に参加しています。
昨年4月からの消費税増税のなかでも、自らの店の色を出すことで、着実に売り上げを伸ばしている末瀬さん。「後ろばかりを見るのではなく、もっと前を見ることが大事。自分の中にあるイメージやビジョンを言葉にすることで、それを実現するきっかけになる」と、夢が広がります。
全国商工新聞(2015年1月5日付) |