余り布リサイクル オリジナル・カーペット=じゅうたん製造・穂積勇人さん
「さわり心地を楽しんで欲しい」と、自社ブランド製品の穂波シリーズを手にする勇人さん
捨てられるだけの素材をリサイクルし、カーペットを作れないか-。山形民商会員で穂積繊維工業株式会社代表を務める穂積勇人さんの挑戦です。
例えばジーンズを作る際に出るデニムの耳(布の切れ端部分)。国内だけでも年間地球2周分ほどが廃棄されています。デニム布の製造業者から声がかかり、耳を新素材として使う「デニムの耳プロジェクト」に参加しました。「話を聞いたとき、うちならできると思った。それにリサイクルすれば環境のためにもなる」
カーペットは青と白を基調としたさわやかな見た目に、しっかりしつつも柔らかな手触りを楽しめるのが特徴。他社との協力でスリッパに加工したものと合わせ、生協などでの通販やセレクトショップで販売中です。
取り組みの評判を聞き、扱いづらい糸や素材を使った企画も持ち込まれるように。最近は“きびそ”(絹糸をとる際に出るまゆの廃棄部分)を使った製品開発の相談が寄せられました。
デニムの耳を使ったマットとスリッパ
リサイクル企業としても登録。「ほかが面倒だと言うことも、手織りのうちでならできる」。新しいことに挑戦し、付加価値を付けています。
機械ではなく、「ハンドフック」と呼ばれる半手織りの手法で一枚一枚のカーペットを織っています。作業場では天井からピンと張った布がつるされ、「ダダダダダッ」とピストル状の刺しゅう機でパイルを打ち込む音が響きます。
展開中の「Fシリーズ」は、麻をベースにウールで描かれたイヌが盛り上がるデザイン。表面は平らにするのが普通でしたが、素材ごとの触感が楽しめます。
新素材を使った製品開発のほかにも、地元産の素材を使った製品が作れないかと考案中です。「昔は農家で取れたワラを草履にするなど、廃棄物を地域の中で循環させるのは当たり前だった」
手間ひまをかけて作ること、良い素材を使うこと、山形で作ること-。多くのこだわりを集めた製品を発信したいと熱く語っていました。
▽穂積繊維工業株式会社
山形県東村山郡中山町大字柳沢542の14
TEL:023-662-3588
URL:http://www.hozumi-rug.com/index.html
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