大ヒット 旭山動物園「立体すごろく」 民商会員が考案=北海道・旭川
「ガオー」とホッキョクグマが飛び出し、ペンギンの散歩やチンパンジーがロープを使って移動、アザラシが気持ちよく泳いでいる様子を絵本タッチで描いた「旭山動物園立体すごろく」が人気です。動物園の土産品としてこのすごろくを製造・発売するのは北海道・旭川民主商工会(民商)会員で、あさひ印刷有限会社の鍜治澤直樹さん、道子さん夫妻です。
動物園でも大人気のホッキョクグマはすごろくにも登場します
たちまち人気が
駒はペンギン、サイコロの目は動物たち。駒を進めるごとにホッキョクグマ・キツネなど旭山動物園の人気物たちのかわいらしいイラストや解説が描かれたマスに止まります。旭山動物園をモチーフにしたからこそできたもの。6月に販売を開始すると、たちまち人気商品になりました(1365円、税込み)。
すごろくの袋を開けると、四方に広がり、“飛び出す絵本”のように立体になります。しかし、まだ完成ではありません。子どもと一緒にわいわいと工作。飛び出す動物たちの仕掛け作りまで楽しめます。
「素敵なすごろくができましたね」と坂東園長
園長も評価
旭山動物園園長の坂東元さんも「この動物園のコンセプトをよく理解し作られています。多くの子どもたちに面白さや不思議さ、発想の自由さを感じ取ってもらいたいですね」と感想を述べています。
攻めの姿勢で
「印刷業者として旭山動物園をアピールしたかった」と話すすごろく発案者の道子さん。
すでに動物園では、ポストカードや便せん、クリアファイルなど多くの土産品を販売。「待っているだけでは仕事はこない」と夫婦で話し合い、動物園の魅力を丸ごと詰め込んだすごろくを商品化しました。
立体すごろくを発案した道子さん
きっかけは、07年に家族で旭山動物園に遊びに行った時のこと。帰宅後、お風呂の中で「今日は、どこを回ったかな」と、思い出していたとき「すごろく」のアイデアが。知人にイラストを頼んで、最初の「あさひやまどうぶつえんすごろく」が完成しました。
早速、園内で売店を運営する「NPO旭山動物園くらぶ」を訪れると、担当者から「売店の店長会議で商品の検討する」と言われました。
店長会議の結果は「雑誌の付録のようなものは売れないのでは」との返事でした。
特別賞を受賞
すごろくに自信があった鍜治澤さん夫妻はあきらめずに「旭山動物園グッズコンテスト」(旭山商工会議所主催)に応募することに。認定された商品は旭山動物園くらぶの売店で販売するという特典がありました。
08年4月、製品部門にエントリーし、見事に「特別賞」を受賞。販売にこぎつけました。
その一方で、立体絵本を何気なく見ていた道子さんは「これをすごろくにできないか」とひらめきました。
旭川市在住の絵本作家で堀川真さんに相談、協力を得て、「旭山動物園立体すごろく」が完成しました。堀川さんは「発想がとても面白い。地元の人が考え、作り、売るって素敵ですよね」と話します。「2010旭山動物園グッズコンテスト」で特別賞を受賞し、販売が認められました。
道子さんは「旭山動物園に来たことのある人もない人も、この立体すごろくで遊んで、訪れたいと思ってもらえればうれしいですね。全国の皆さんに旭山動物園の魅力を感じてほしい」と笑顔で語ります。
▽あさひ印刷有限会社
北海道旭川市8条22丁目右10号 TEL:0166-33-3611、Fax:0166-33-3883 メールアドレス:asahiinsatuco@ybb.ne.jp
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