下請法違反の告発にヤマダ電機が改善策
東京・池袋に進出したヤマダ電機
下請法違反の疑いがあるとして関西の地域電器店がことし1月、大手家電量販店・ヤマダ電機を中小企業庁に告発していた問題で、ヤマダが下請け業者への「改善提案アンケート」を行ったり、「工事見積もり」に出張費をつけたりするなど“改善策”を打ち出していたことが分かりました。全国商工団体連合会(全商連)は、この業者からの相談を受け、中小企業庁に下請法違反と独占禁止法が禁止する「優越的地位の乱用」があるとして、実態調査と行政指導を求めていました。
この下請け業者らの話によると、ヤマダ電機に変化が起きたのは4月に入ってから。
「改善提案アンケート」は協力会社、2次下請けに対し、販売・依頼方法などについて改善提案を求めたもので、ヤマダ本社が下請け業者にアンケート調査を実施したのは初めて。5月中旬からは、これまでただ働き扱いだった「工事見積もり」も、1件につき3000円の出張費が出されることになったといいます。
また、関東などとは格差のあった工事単価も段階的な引き上げを実施していく予定で、これまで「おたくの代わりはいくらでもいます」などと「上から目線」でものを言っていたヤマダ電機従業員の対応も、「普通の会社の対応になった」といいます。
ヤマダ電機が行っている「改善提案アンケート」 >>拡大画像はこちら
ヤマダの従業員は「工事見積もり出張費をつけた理由は説明されていないが、5月半ばからつくことになった。しばしば来ていた本社からの半ば強制的な指示電話もあまり入らなくなった」と本社の変化を指摘します。
ヤマダ電機を告発した下請け業者は「ヤマダ電機にキッパリとものを言ってよかった。でも、これほどの変化が起きるとは思わなかった。工事見積もり出張費がつくと月に5〜6万円の収入増になり、下請け業者はみんな喜んでいる。民商・全商連が申し入れなどをしてくれたおかげ。商工新聞の報道も大きかったと思う。本社と共存共栄の関係を築くことが一番」と話しています。
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