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仕事が回る政治を、大企業は下請を切るな!
事態は深刻
職を失った派遣社員や期間工が仲間とともに立ち上がっています。大企業の大規模なリストラ・合理化は労働者だけでなく、大企業を支えてきた下請け業者を襲い、根こそぎ仕事を奪おうとしています。これまで培ってきた技術の継承が断ち切られるような深刻な事態に、「下請け切りをするな」の声を上げています。
11月からアルバイト生活
神奈川・厚木民商=機械加工
「こんな状況は想像もしてなかった。好きな商売ができないことが一番悔しい。つらいし、情けない」。
厳しい状況を訴えるのは、神奈川・厚木民主商工会(民商)のSさん=機械加工。ホテルの清掃のアルバイトで生活をつないでいます。
日立関連の3次下請けで、工作機械の試作品を作っていましたが、昨年11月には仕事がまったくなくなりました。
親会社に話しても「従業員を辞めさせるわけにはいかない。もう少し待ってほしい」と言われるばかり。
Sさんはやむなく、11月半ばから宅配便のアルバイトに出て、年初めからはハローワークに通いました。
しかし、職は見つからず、新聞の折り込み広告で今のアルバイトを見つけました。
「消費税と源泉が滞っていると税務署から呼び出されたが、民商の仲間と一緒に事情を話して金額が入っていない納付書をもらった。どん底だよ。でも、希望は捨ててない。民商の仲間もいる。なんとしてもはい上がってみせる」とSさんは歯をくいしばっています。
1000万円で機械導入したが
神奈川・秦野民商=プレス加工
神奈川・秦野民商のKさん=プレス加工=は「どこが一番につぶれるか、体力勝負をさせられている。仕事が完全に断ち切られたら、たたかう。後を継いだ息子たちの仕事先だけは確保しなければならない」と腹をくくっています。
いすゞ自動車の2次、3次下請けの仕事をするようになって30年。ここまで考えたのは初めてです。
いすゞは昨年11月、下請け企業を集め、120万台体制から100万台体制にし、今年1月からはさらに55万台体制にすると伝えてきました。Kさんは300万円あった売り上げが100万円に落ち込みました。
昨年11月、銀行から1000万円を借り入れて買い換えた金型の機械はまったく動かせないままです。
親会社も昨年11月に大規模な設備投資をして新工場を建設したばかりですが、36台のプレス機のうち7、8台しか稼動していない状況です。
「今回の不況は半端じゃない。下請け企業の選別がこれから始まる。大変なのはこれから。どこまで持ちこたえられるか」とKさんは話しています。
売り上げ月200万が20万に
神奈川・厚木民商=部品加工
「この怒りはどこにぶつければいいのか」と憤るのは、厚木民商のNさん=部品加工。トヨタ、小松、日立、三菱などの建設機械のメーンの仕事が昨年12月10日を境にパタッと止まりました。バブル経済後、これまでは景気が悪くなっても納期に間に合わないほど忙しく、毎月200万円以上を売り上げていました。
ところが、メーカーが軒並み減産を発表し、売り上げは月20万円ほどに激減。Nさんはがく然としました。
親会社の新年会では「2億円あった売り上げが1億円を切った」と聞かされました。Nさんは「生活が成り立たない。仕事を回してほしい」と親会社に申し出ましたが、回ってきたのは1個単価40円のうち材料代が20〜25円かかるような利益の出ない仕事です。「そんな仕事は請けられない」と断りました。
「政治が悪い。下請け業者を救わなければ、日本経済は本当に駄目になる。国は中小業者への支援を本気で強めるべき」とNさんは強く感じています。
注文激減でパート雇えなく
福岡・京筑民商=縫製
「下請け切り」は地方にも広がっています。「1日3、4万円の仕事がいきなり5000円に。これでは、やっていけるわけがない」と話すのは福岡・京築民商のNさん=縫製=。日産・九州工場(福岡県苅田町)の3次下請けで自動車の座席のヘッドレストをミシンで縫い合わせています。1日600個(1個50円)から100個に発注が減少しました。
一昨年12月。元請けからの誘いで、9年間勤めた縫製工場を退職。自宅車庫を工場に変え、運搬用の車も購入するのに、300万円ほどかかりました。当初、仕事は順調で妻と夜遅くまで残業することもしばしば。しかし、日産が生産計画50万台(09年度)の2割減産を発表した昨年12月中旬、注文が激減。パート3人に泣く泣くやめてもらいました。「もうける時だけ自分の懐に入れ、いい思いをしているのはおかしい」と怒る妻に工場を任せ、Nさんは求職中です。
Nさん夫婦は12月25日、川上栄会長代行や民商の仲間とともに行橋市の八並康一市長に「下請け切りでみんな苦しんでいる。仕事を減らさないように日産に要請を」と訴え、申し入れ書を手渡しました。
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