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  トップページ > 業種のページ > 製造・小売 > 全国商工新聞 第2794号 8月13日付
業種 製造・小売り
 
低単価に揺れる町工場
東京・大田区 B時間単価引き上げを
給与未払い、遅延で不安定 最低でも500〜1000円の引き上げを
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 原材料の高騰を受けて、蒲田、大田、雪谷民主商工会(民商)と労働組合でつくる不況打開大田区実行委員会は2月に緊急アンケートにとりくむとともに、工場を訪問してヒヤリング調査を実施。この10年間、単価は下がり続け、原材料の高騰が経営をさらに圧迫している実態が浮かび上がりました。
  実行委員会では4社の決算書を分析。社長と従業員5人が働く総合機械加工のA社は05年、06年は2期連続の赤字でした。2期とも売り上げは伸ばしているものの材料代が値上がりし、下請け単価に転嫁できていません。96年からの1時間当たりの単価を計算したところ、緩やかに下降線をたどり、06年の単価は2195円に。従業員の多くが熟練工ですが、年間の給料は約370万円にすぎません。社長や家族従事者は給料の未払いや遅延が発生し、不安定な生活を強いられています。
  ほかの3社も同様の結果で実行委員会では「安定経営のためには500円以上の時間単価引き上げが必要。『国税庁の民間給与実態統計調査』の平均給与(男性538万円、女性273万円)に照らし、熟練工であることを加味すると、世間並みの賃金(年間給料480万円)を確保するためには1000円以上の時間単価が必要」と訴えています。
  同実行委員会は94年に結成され、地域経済と雇用を守る運動にとりくんできました。工場が激減するなか、03年4月には日本のものづくりを守ろうと区内の2400社を訪問。対話報告集を作り実態を告発しました。06年には地域経済を振興させるための「提言」を発表し、国や行政に施策がないことがものづくりの集積を衰退させていると指摘して実態調査の実施を要望。再生プランをつくり、下請けの公正な取引ルールの確立、後継者育成、ネットワーク構築のための助成制度、商店街の活性化などを積極的に提案してきました。
  区が実態調査
  こうした運動が実り、今年度、区では中小業者の実態調査にとりくむことを決めました。製造、非製造業のそれぞれ1000社ずつを聞き取り調査し、結果を今年中にまとめ施策に生かすとしています。「廃業・倒産はあっても製造業の開業はここ10年では数えるほど。高齢化も進み、後継者がいない事業所が半数を占め、日本経済を支えているものづくりが危機に直面している」と同区産業振興課の職員は話しています。
  国は2月にまとめた「成長力底上げ戦略」のなかで中小企業の基盤を向上させることを掲げ、下請けの適正な取引を進めるとしています。「単純なコストダウンの要請は部品および製品の品質や性能に支障を及ぼす」と指摘しています。これを実効性あるものにするには、今後の運動が重要です。

 

 
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