飲料街に笑顔と活気 お客と店の出会いづくり
地域から心待ちに
全国の民主商工会(民商)では、地域住民と飲食店が出会うきっかけになるイベント「夜のオリエンテーリング」や「スタンプラリー」を開催。参加者や店から心待ちにされ、街ににぎわいを呼んでいます。
「満席でやりがい出た」 参加店に充実感
特設ホームページの効果もあり、200人以上が参加した福山民商のスタンプラリー
参加店の特製うちわを手にして街を歩く浴衣姿のスタンプラリー参加者
3000円分の商品券が当たる抽選会。当選者はガッツポーズで喜んでいました
「素敵な店、人に出会えるイベントにして地域を元気にしたい」-。第9回「飲食店スタンプラリー」が6月24日、広島県福山市で開催されました。福山民商の料飲業の会員を中心に結成する福山活性化実行委員会が開催したもの。市の後援を受け、民商内外から26店舗202人が参加し、街に活気と笑顔があふれました。
「飲食店スタンプラリー」は、利用したことのない店を訪れてもらい、店と参加者の新たな出会いをつくることが目的。参加者は3000円のチケットを購入し、参加店舗の中から4店舗(1店舗指定、3店舗自由)を巡ります。自慢の料理や飲み物を楽しんで各店舗でスタンプを集め、3時間以内にゴールすると、参加店舗で使える3000円分の飲食券が2分の1の確率で当たります。
受け付けを済ませ参加店舗のマップを手にした参加者は「ここの日本料理を味わいたいな」「今日はお肉を食べたい」「この店が気になっていたから行ってみよう」と目的の店へと出発していきました。
浴衣を着て参加した女性もいて、街は華やいだ雰囲気に。独自のサービスを用意している店舗もあり、店名の入ったうちわを来店客に配ったり、焼酎ボトルが当たるくじ引きを用意したりして参加者を喜ばせました。
午後8時からの抽選会は大いに盛り上がり、当たりくじを引くたびに大きな歓声が上がりました。当たりくじを手に「『また来るね』と約束したママのところへ行ってくる」と再度、街に繰り出しました。
参加店舗も「満席になり、やりがいがでた」「初めて来店される方も多く、良い宣伝になった」「落ち着いて接客できました。次につながることを祈っています」と充実感を感じていました。
今回は、イベントオフィシャルサイトを作成。フェイスブックでお店を取材した記事を紹介したことで、サイトからのチケット購入が昨年の倍となりました。また、事前に参加店が把握できるので、当日のお店選び、コース設定の時間が縮小でき、滞在できる時間を増やすことができました。
日本料理店「きせつや」を営む川崎博義実行委員長は、「回を重ねるなかで参加店舗どうしのつながりが深まっている。今後も定期的に集まりを持ち、お客さまに喜んでもらえる企画を計画したい」と話しています。
「個人店に興味湧いた」 地元学生も参加
埼玉・所沢民商は6月23日、9回目となる「料飲オリエン 夜の路地裏探検隊」を、西武新宿線新所沢駅(略称・しんとこ)周辺で開催。34店舗155人が参加しました。
駅西口の中砂公園で開かれた出発式では、内田富士雄副会長が「『しんとこ』で、今までと違った店の雰囲気も味わってほしい」とあいさつ。市も後援し、毎年のように参加している藤本正人市長は、料飲オリエン当日の6月23日は「沖縄慰霊の日」(沖縄戦が事実上終結)であることを紹介。新所沢開発に沖縄出身者が深く関わっていること、平和の大切さにも触れながら「あったかい店の多い『しんとこ』のオリエンを楽しんでください」と語りました。
この後、1000円の飲食券(20枚)や所沢名産の狭山茶、ラッキーパンダのうどんセット(それぞれ3人)が当たる抽選会を実施し、午後7時30分、店に向かってスタートしました。
参加店は、沖縄料理、バー、スナック、居酒屋、カレー店と多彩。各店では「1フード、1ドリンク」を提供しますが、中には刺し身の舟盛りや、ローストビーフ、サラダ、魚のフライ、デザートをセットにしたワンプレートを提供する店も。ドリンク2杯目を半額提供する店もありました。
店内では「乾杯」の声が響き、ママとの会話を楽しんだり、参加者同士の交流、ラインを交換する若い人たちも。市の職員や防衛医大の学生たちも料飲オリエンを楽しみました。
参加者からは「新所沢にはあまり来たことがなく、初めての店ばかりで楽しかった」「普段入らないお店に入れて大満足。これを機に、また行きたい」「今までチェーン店で飲むことが多かったけど、オリエンに参加して個人店に興味が湧いてきた」などの感想が寄せられました。
参加店舗も「いつもと違う参加者が来てくれたので楽しかった」「オリエン参加者同士で仲良くなってくれたのがよかった」などの声が寄せられました。
民商では回収したアンケート(103人が回答)をもとに、次回はさらに楽しいオリエンを企画しようと話し合っています。
「また友達と行きたい」 お店発見に喜び
参加者もお店の人も笑顔で「乾杯!」。街ににぎわいを呼んだ北上民商の夜オリ
岩手・北上民商は6月13日、第3回北上・夜の街オリエンテーリングを行いました。当日は80人と19店舗が参加。飛び入り参加もあり、盛り上がりました。
3500円のチケットで指定された3店舗を回るルール。主催者を代表し、実行委員長の石川満会長=石材=が「北上の夜の街ににぎわいと活気を取り戻すための企画として3回目を迎えました。今夜は大いに楽しんでください」とあいさつ。参加者は1軒目をめざして一斉にスタートしました。
居酒屋、焼き肉店、スナック、パブ、レストランなどが、多種多様な飲み物や料理を提供。あるカクテルバーは、国際大会で優勝経験があるバーテンダーがオーナー。参加者はすてきなカクテルを堪能しました。
店を3軒回った後は、集合場所の公民館で閉会式とお楽しみ抽選会。当選者が読み上げられると大歓声と拍手が送られました。
参加者からは「初めて参加した。こんな楽しい企画だったらこれからも参加したい」「いい店を発見できたので、今度友達とプライベートで飲みに行きたい」など感想が相次ぎ、満喫した様子。「ポスターを見たんだけど、当日でも参加できるか」と飛び入りで来た人もいて、気軽な雰囲気が好評でした。参加店舗からも「ぜひ来年も開催してほしい」と要望が出ました。
全国商工新聞(2018年7月16日付) |