「イチオシ料理」で店自慢 飲食店交流会=大阪・福島
「一押し料理」と店づくりで他店との違いを出そう―。大阪・福島民主商工会(民商)は5月24日、こんなテーマで、飲食店の交流会を大阪市内の会員の店で開催しました。焼き鳥、ケーキ、ラーメン店など8店が参加、悩みも含め、ざっくばらんな交流をしました。
JR福島駅周辺は大阪・梅田に隣接する飲み屋街。昭和を感じさせます。市中央市場もあって、全国から「うまいもん」が集まる街でもありますが、近年、放送局の移転などもあって、客層が変化。変化に対応した経営が会員にとって大きな課題となっています。
交流会はこうした悩みに応えようと開かれたもので『なりわい繁盛帖-成功する「小」の経営法』の著者でもある三方良さんも出席。地の利を生かした経営や、店づくり、接客などについてアドバイスしました(別項)。
話の口火を切ったのは鳥料理店を経営するNさん。「最近人通りが少ない。これまでは中高年の客が多かったが、若い人は見向きもしない。店の経営のやり方を変えるべきなのか。単価も下げたらいいのか」と悩みを率直に提起しました。
おでん屋で働く女性は「客層が確かに変わった。単価も低く、経営も大変」と語りました。
創作料理店を経営するSさんは「今は客層を絞って、決め打ちせなあかん」「単価を安くしても利益は上がらない」と発言。経営のあり方も含め、活発に意見交換。インターネットやHPを使った宣伝も話題になり「外部の会社に任せっきりは駄目。自分でしっかり考えることが大事」などの経験談も出ました。
最後はお店の「一押し料理」自慢。参加者は鳥チゲ(鍋)、近海の魚料理、カレーラーメン、酵素玄米、和風サーロインステーキなどを紹介、お店自慢に笑顔があふれました。
悩みを打ち明けたNさんは「経営のヒントがあればと思って参加したが、悩みも聞いてもらえて良かった。こういう集まりはこれからもどんどんやってほしい」と話していました。
三方良さんの経営アドバイス
〈店の特徴を出す〉
店の特徴を出すのは簡単なようで案外難しい。どこにでもある店ではなくここにしかない店、一度行ったら忘れられない店の追求を。
〈大事な店の雰囲気〉
店主のこういう雰囲気にしたいという主張が大切。最近、店主のおたく的なこだわり(鉄道、山、釣り)も注目されている。
〈「一押し」を前に出す〉
客を増やすためにはその店の「一押し」商品を前に出す宣伝が重要。それによって他のものもおいしい店だと思ってもらえる。
〈接客〉
飲食店での接客で一番大事なのは注文を早く出すこと。飲み客ほど「早く酒を飲みたい」。常連は後回しにし、新規客にはすぐに出すなどの工夫も。
全国商工新聞(2012年6月11日付)
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