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  トップページ > 全国商工新聞 第2765号 1月15日付
「改正」保険業法
 
ノロウイルス風評被害
養殖業者らが悲鳴

「おいしいカキ食べてほしい」
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カキの水揚げ作業する陸前高田民商会長の佐藤さん
 出荷のピークを迎えたカキが、ノロウイルスの感染源というマスコミの報道などで、販売不振に陥り、カキ養殖業者らが悲鳴を上げています。
 広島県漁連によると、11月下旬に1キロ当たり1435円と前年を上回っていた東京・築地市場での価格が、報道が出始めたころから下落。平均価格は前年同期比で2割安になり、最安値は500〜600円で取引されるカキもあったほど。
 広島民主商工会(民商)会員の野村雪法さん(58)=カキ養殖=は「12月中旬から年末の2週間で年間利益の3分の1を稼ぐという時期なのに、出荷量は例年同時期の3分の1、売り上げが昨年と比べて8割減った」と嘆きます。
 養殖業者の中にはカキうち(カキの殻からむき身をとる作業)をやめたところも。さらにショックを与えたのは、ある県漁連が生食用カキの出荷を自粛し、すべて加熱調理用として出荷することを決めたこと。生食用のカキは、滅菌海水に長時間浸した後、滅菌処理をし、検査して出荷しており、野村さんは「自信をもって出荷している。カキから感染したという具体的な話は聞いていない。完全に風評被害だ」と、怒りをぶつけます。
 「例年ならお歳暮にカキを贈る人も、今年は違うものにすると言っている」と、販売業者も嘆いています。
 国民生活金融公庫は、12月20日から「ノロウイルス風評被害関連特別相談窓口」を設置。中小企業の融資相談および返済相談に応じています。
 しかし野村さんは「融資が受けられても、カキが売れなければ返済できない。廃業する業者も出てくると思う。損害賠償請求できないかと組合で相談している」と厳しい顔。広島など7道県の漁業協同組合は12月22日、厚労省や水産庁を訪れて、ノロウイルスによる「風評被害」を訴え、救済を求めています。
 岩手・陸前高田民商会長の佐藤吉郎さん(69)=カキ養殖=は「感染騒ぎの犯人はカキではないのに、テレビでカキの映像が朝昼晩と流され被害につながった。カキのおいしい季節なので、みんなにぜひ食べてほしい」と話しています。
(広島・亀本秋一通信員・陸前高田・佐藤吉郎通信員)
 
 
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